質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一七三号

行政による経済的不利益賦課制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月二日

森 まさこ   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   行政による経済的不利益賦課制度に関する質問主意書

 消費者被害は、少額同種の被害が多発するという特性があり、個々の消費者が被害の回復を図ろうとしても、紛争解決に要する費用や労力などの面で負担が大きいことから、消費者が泣き寝入りをせざるを得ない状況に置かれている。
 我が国の現行制度では消費者の利益擁護が十分になされていないことは明白であり、消費者被害の救済制度の充実が急がれている。
 平成二十一年九月に施行された消費者庁及び消費者委員会設置法附則第六項では、法施行後三年を目途として、多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪し、被害者を救済するための制度について検討を加え、必要な措置を講ずるものとされている。
 これを受け、消費者庁は、集団的消費者被害救済制度研究会を開催して論点整理を行い、平成二十二年九月に報告書を公表した。
 現在、同報告書を踏まえ、消費者委員会に置かれた集団的消費者被害救済制度専門調査会において、集合訴訟制度を中心に検討を進め、平成二十三年夏を目途に取りまとめを行う方針と聞いている。
 一方で、同報告書では、集合訴訟のほか、加害者に対して金銭の徴収などの経済的不利益を及ぼす、行政による経済的不利益賦課制度についても検討がなされているが、これについての具体的な制度設計に向けた動きが見られない。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 消費者委員会の集団的消費者被害救済制度専門調査会において、行政による経済的不利益賦課制度の検討を当面行わないこととした理由を示されたい。

二 行政による経済的不利益賦課制度について、どのような体制で検討を進めるのか。制度導入に向けたスケジュール、消費者委員会の集団的消費者被害救済制度専門調査会との連携の在り方を含めて明らかにされたい。

  右質問する。