質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一六三号

グループホーム等における負担軽減策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月二日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   グループホーム等における負担軽減策に関する質問主意書

 平成十七年の介護保険制度改正(平成十八年四月施行)により、食事・居住費が保険給付の対象外とされ、特別養護老人ホーム等の介護保険施設では、それまで保険給付の対象になっていた食事・居住費が自己負担になった。一方、急激な負担増を補うために、低年金者・低所得者等に対する軽減措置(補足給付)が創設された。しかし、有料老人ホームやグループホームでは、従来から食事・居住費は利用者負担とされていたため、補足給付の対象とならなかった。
 また、平成十二年四月から実施された「介護保険法の円滑な実施のための特別対策」における低所得者の利用者負担の激変緩和措置等の一環として、「社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担軽減制度事業」が創設された。この制度も、有料老人ホームやグループホームには適用されない。
 政府は、平成二十一年度(第一次補正予算)から二十三年度までの三年分として三千十一億円の介護拠点等の緊急整備費を計上し、また、平成二十二年度補正予算で、介護基盤緊急整備等臨時特例基金の積み増しとして三百二億円を計上し、各自治体において平成二十一年度からの三年間で、約十六万人分の施設を増やそうと計画している。
 しかし、近年、特別養護老人ホーム等の介護施設の待機者は、年々増加する一方であり、特別養護老人ホーム等の介護施設の供給が追いつかず、介護施設に入居できない状況にある。そこで全国に約三千カ所ある有料老人ホーム等の特定施設や約一万カ所あるグループホーム等の活用が必要であり、また、そこに入居する方々の負担軽減策というものが必要である。
 そこで、以下質問する。

一 平成二十二年三月三十一日の参議院厚生労働委員会の木庭議員によるグループホームの負担軽減措置に対する質問について、長妻厚生労働大臣(当時)は「グループホームのみならず、あらゆる施設での一定の低所得の方々に対してどう対応する必要があるのか。グループホームでは、基本的にはこれは御自宅と同じ扱いで、食費等についてはそういう措置がないわけでございます。(中略)実態把握をして、二年後の改定に議論として役立てていきたい」との答弁をしているが、政府として現在どのような実態把握をしているのか。また、今後の方向性について具体的に明らかにされたい。

二 低年金者・低所得者の負担軽減策として、「社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担軽減制度事業」がある。グループホームの中でも、社会福祉法人が経営しているものもあるが、この制度は利用できない状況にある。社会福祉法人が経営するグループホームについては、この制度の利用を可能にするべきであると思うが、政府の見解如何。

三 介護保険制度の見直しを検討している厚生労働省社会保障審議会介護保険部会においては、これまで「グループホームについては、補足給付の対象ではないが、地域によっては利用者負担が著しく高く、低所得者の利用を妨げていることから、何らかの利用者負担軽減措置を検討すべきではないか」等の意見が出されているが、こうした意見は、今後どのように生かされ、施策に反映されるのか、具体的に示されたい。

  右質問する。