質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二九号

特別支援教育の充実に向けた教員免許制度改革に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十一月二十六日

上野 通子   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   特別支援教育の充実に向けた教員免許制度改革に関する質問主意書

 過疎化の進行で子どもの数が極端に減少している地域の学校などにおいては、特別支援教育専門の教員や障害の知識を持つ教員を十分に配置するのが困難となっている。校内に特別支援教育の専門知識を持った教員がいなければ、発達障害や学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などさまざまな障害を持つ子ども達の発見やこのような子ども達への対応が遅れ、その子の将来に大きな悪影響が生じてしまう恐れもある。こうした問題に対応するには、多くの教員が特別支援教育を担当できるようしなければならないと考えている。そこで、以下質問する。

一 現在の特別支援教育の教員免許は、普通の小中高等学校や幼稚園の教員免許状に加え、特別支援学校の教員免許状を取得する二段階方式となっている。私としては、必ずしも二段階方式の免許制度ではなく、普通の教員免許の養成課程の中に特別支援教育領域の科目を入れることによって、教員を目指すすべての学生に、ある程度の特別支援教育の知識を身につけさせることができると考えるが、政府としてこうした教員免許制度の改革を行う考えはないか、見解を明らかにされたい。

二 抜本的な教員免許制度の早期実施は困難だとしても、研修によって教員に知識や技術を身につけさせることは可能だと考える。発達障害などを持つ子ども達が急増していることを踏まえ、せめて子ども達の兆候が認識できるように、政府としてすべての教員に特別支援教育の研修を受けさせる考えはないか。研修は、大学や病院の専門家が直接、学校現場に出向いて、すべての教員を参加させることが有効だと考えるが、政府として実施する考えはないか。見解を明らかにされたい。

  右質問する。