質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二五号

果樹経営支援対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十一月二十六日

山本 博司   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   果樹経営支援対策に関する質問主意書

 わが国の果樹産業は、限られた国土の中で、中山間傾斜地等の作物の栽培が困難な地域を中心に行われており、地域の特性を生かした品種の導入に取り組むなど、懸命に生産活動に取り組んでいる。しかし生産現場では、高齢化の進展・後継者不足・消費不況等により、厳しい状況におかれている。多様な消費者ニーズに即した果実の提供に関し、幅広い果樹経営支援対策が必要と考える。こうした観点から以下のとおり質問する。

一 果樹経営支援対策事業については、非常に大事な事業であり、平成二十三年度予算においても継続・拡充が必要であると考える。しかし、平成二十二年度予算額六十三億円に対して、平成二十三年度概算要求額が大きく減額されているが、その理由を明らかにされたい。
 また、この事業について、①中晩柑等の簡易ハウス導入助成、②優良品目への転換については、柿など全ての果樹定額助成に係る経営支援策等を新たに措置することが必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 全国にある荷物用運搬車の農業用モノレールの約八割、走行用のレールの約九割が耐用年数の十五年を過ぎていることが「モノレール工業協会」の調査で判明している。レールの腐食が原因となって台車ごと人や荷物が転落する事故が起きているが、政府はモノレール事故数について把握しているのか。把握していれば、その数を示されたい。

三 座席がないモノレールに乗車するのは禁止されているが、実際にはけん引車と荷台との間の連結部などに乗っている例が後をたたない。国や地方自治体の安全指導の強化等について、どのように対策をとっているのか示されたい。

四 モノレール整備予算として、前政権時の平成二十一年度第一次補正予算には「農地有効利用支援整備事業」があったが、百二十億四千万円の凍結により、モノレール整備促進が大きく遅れたと指摘されている。また、昨年、本年の事業仕分け等でこうした整備事業予算がさらに削減され、農家は悲鳴を上げている。さらに、農水省が半額を補助する現在の制度では、馬力を上げるなどのモノレールの機能を向上させることが条件のため、経営の厳しい状況では、負担過大で対応できないのが実態である。国や地方自治体の補助制度の見直し、拡充が必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

五 自然災害の影響を受けやすい果樹農業にあっては、損害補償制度である果樹共済制度は必要である。災害により収入が低下した場合に基準収穫量を下回らない場合でも共済金の支払を可能にするとともに、出荷団体の構成員の多数が加入する場合の掛金割引制度の導入など、果樹共済制度の充実を図る必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

六 温州みかんの加工原料用果実は現行十円/キログラムであり、収穫・出荷のための経費も賄えない状況である。生果の価格安定を目的に温州みかんを市場等の流通から排除し、加工に向ける際の生産者への直接支援(五十~六十円/キログラム程)を実施すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

七 消費拡大対策として、国産果実のPR活動の全国的な促進や学校給食への導入、企業・団体での利用促進など果実販路拡大支援策が求められると考えるが、政府の見解を示されたい。なかでも「毎日くだもの二百グラム運動」を具体化するため、学校給食への「くだもの百グラム」導入支援策を実施すべきと考えるが、併せて見解を示されたい。

  右質問する。