質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一四号

予防医療に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十一月十九日

江口 克彦   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   予防医療に関する質問主意書

 疾病予防は、リスク要因の減弱・排除及び罹患の回避からなる「一次予防」、早期発見及び早期治療からなる「二次予防」、疾病の進展及び合併症の回避からなる「三次予防」に分類できる。我が国の疾病予防は不十分と考えており、特に一次予防の「ワクチン接種」、二次予防の「検診」を拡充すべきとの観点から、以下質問する。

一 B型肝炎ワクチンは、WHOに加盟している国と地域の九十二%で定期接種化されている。こうした定期接種化により、B型肝炎の罹患率が劇的に減少したものと承知している。我が国においても予防接種法を改正し、B型肝炎ワクチンの定期接種化を図るべきと考えるが、政府の見解を問う。

二 B型肝炎ワクチンを定期接種化した場合の、①要する費用、②B型肝炎ウイルス罹患率への影響、③将来的な医療費への影響について、それぞれ数値を示されたい。

三 ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスに感染して肝臓の細胞が壊れていく病気であり、徐々に肝臓の機能が失われていき、肝硬変や肝がんに至ることもある。したがって、肝炎ウイルスの早期発見・早期治療が、ウイルス保有者にとっても医療費抑制にとっても、効果があるものと思われる。特定健康診査・特定保健指導の項目に、B型及びC型肝炎ウイルス検査を追加すべきと考えるが、政府の見解を問う。

四 直近のC型肝炎ウイルス検査の受診率について、政府が把握しているところを示されたい。また、今後の同受診率の目標値を示されたい。

五 我が国では他国に例を見ない高齢社会となっており、昨今は高齢者の肺炎罹患に伴う医療費が増大している。しかし、我が国の高齢者の肺炎球菌ワクチン接種率は低率にとどまっている。同ワクチン接種に対しては、地方自治体が独自に費用の助成を実施しているとのことだが、公平な医療のためには国レベルでの費用の助成の仕組みが必要と考えるが、政府の見解を問う。

六 仮に六十五歳以上の方を対象に、肺炎球菌ワクチン接種費用の半額助成制度を構築した場合の、①要する費用、②高齢者の肺炎罹患率への影響、③将来的な医療費への影響について、それぞれ数値を示されたい。

  右質問する。