質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二六号

道路アンダーパス部冠水事故の防止策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月十四日

加藤 修一   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   道路アンダーパス部冠水事故の防止策に関する質問主意書

 近年、ゲリラ豪雨と呼ばれる局所的集中豪雨が多発し、今まで災害と比較的無縁であった群馬県を始め全国各地で道路の冠水被害が発生している。とりわけ道路のアンダーパス部(鉄道線路や幹線道路などと一般道路が立体交差している場所において下側を通る道路が周辺の土地より低くなっている部分)が短時間のうちに冠水し、自動車が水没したり、人が流されたりする事故が頻発している。本年七月十五日には岐阜県可児市で車四台が水没し、三人が車ごと流され、一人が死亡、二人が行方不明となった。このほか、二〇〇八年八月には栃木県鹿沼市で軽乗用車が水没し、運転していた女性が死亡する事故、同年九月には広島県広島市安芸区の県道矢野・安浦線のアンダーパス部でマイクロバスと軽ワゴン車が水没し、十八人がからくも脱出する事故が発生した。こうした事故の発生を未然に予防する観点から、以下のとおり質問する。

一 道路アンダーパス部の現状について

 国又は地方公共団体が所管する道路(国道及び地方道。いずれも有料道路を含む)において、アンダーパスの構造をもつ区間(個所)数、このうち豪雨(一時間五十ミリ以上の降雨)時に短時間で冠水し、人間や車両の水没等が発生する個所(区間)数を明らかにされたい。

二 道路アンダーパス部における冠水事故による人的被害等について

 国又は地方公共団体が所管する道路(国道及び地方道。いずれも有料道路を含む)のアンダーパス部において発生した冠水に伴う、死亡、傷害等の人的被害と自動車流出等の物的損害について、それぞれ過去十年間のデータを明らかにされたい。

三 道路アンダーパス部における危険情報の周知徹底について

 国又は地方公共団体が所管する道路(国道及び地方道。いずれも有料道路を含む)のアンダーパス部における危険区間についての情報を共有するために、運転者を始めとした市民等への危険情報の周知を徹底すべきと考えるが、この周知体制等について政府の対策を明らかにされたい。

四 道路アンダーパス部における排水ポンプ等の事業費について

 国が所管する道路(有料道路を含む)のアンダーパス部における冠水時の警報システム等の設置数、冠水時の排水のためのポンプ施設の設置数、及びそれぞれの平均的な事業費を明らかにされたい。

五 道路アンダーパス部における雨水地下貯留浸透施設の設置について

 集中豪雨対策としてポンプ施設と同等又はそれ以上の機能が期待できるのは雨水地下貯留浸透施設であると考える。散水や中水道への貯留水の再利用などメリットも考えられることから、道路アンダーパス部への雨水地下貯留浸透施設の設置が望まれるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。