第176回国会(臨時会)
質問第一一号 無害通航権と非核三原則に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十二年十月四日 佐藤 正久
参議院議長 西岡 武夫 殿 無害通航権と非核三原則に関する質問主意書 平成二十二年三月十七日の衆議院外務委員会において、岡田外務大臣(当時)は非核三原則に関する答弁のなかで「一時的寄港や領海通過についても、これは非核三原則の対象にする」と答弁している。 また、国連海洋法条約においては、軍艦を含めて全ての国の船舶は無害通航権を有するとされている。しかしながら、武力による威嚇・行使、兵器を用いる訓練または演習、航空機の発着または積込み、軍事機材等の発着または積込み、故意による海洋汚染、漁獲行為、調査・測量活動等は、無害通航に該当しないとされている。 右の点を踏まえ、以下質問する。 一 核弾頭搭載ミサイルを積載した艦船の通航は、無害通航に該当するのか否か、政府の見解如何。 二 核弾頭搭載ミサイルを積載した艦船の通航が無害通航権に該当しない場合、これらの艦艇が我が国領海を通航することは、我が国の非核三原則に反するものと理解するが、政府の見解如何。 三 中国及びロシアは、核ミサイル搭載原子力潜水艦を所有していると言われているが、それぞれ何隻所有していると把握しているか。 四 平成十年以降に中国及びロシアの潜水艦が我が国の領海を通航した事案はそれぞれ何件あるか。また、そのうち核ミサイル搭載原子力潜水艦であることを把握した事案は何件あるか。 五 政府は、これまでに中国及びロシアとの首脳会談等で、核ミサイル搭載原子力潜水艦の通航を止めるよう要求したことはあるか。 右質問する。 |