質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三号

「新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策」における「日本を元気にする規制改革一〇〇」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十月一日

中西 健治   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   「新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策」における「日本を元気にする規制改革一〇〇」に関する質問主意書

 規制改革については、わが国の健全な成長を促し、また、現状の経済環境下においては財源を使わない有効な景気対策に資すると考えており、極めて重要であると認識しているところである。
 本年九月十日に閣議決定された「新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策」においては、緊急的な対応の具体策の一つとして「日本を元気にする規制改革一〇〇」が掲げられ、具体的事項として示された八十五の事項を含む規制・制度全般について、平成二十二年度末を目途に取りまとめを行うとしている。
 しかしながら、その内容には新成長戦略実現に向けた規制改革とは思えないような事項も散見されるようであり、その内容に関して疑問が生じたところであるので、以下のとおり質問する。

一 「日本を元気にする規制改革一〇〇」の「一〇〇」の意味を明らかにされたい。「新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策」においては、具体的事項として列記されているものが八十五項目に留まっている一方、「(八十五の)事項を含む規制・制度全般について(中略)検討を進め」とも記載されており、検討対象を八十五の事項を含めた百項目に留めるとも解される。ここでいう「一〇〇」が具体的に何を指しているのかを明らかにされたい。

二 本経済対策が全般的に雇用創出効果を意識している中、「日本を元気にする規制改革一〇〇」では、「都市再生・住宅」、「環境・エネルギー」、「医療・介護」、「観光振興をはじめとした地域活性化」、「国を開く経済戦略」の五分野を中心に検討がなされ、労働法制そのものに関わる規制・制度改革が入っていないが、その理由について明らかにされたい。

三 具体的事項として列記された八十五の事項は、「日本を元気にする」観点から選定されたと思料するが、選定の基準となった「元気」の定義を明らかにされたい。

四 具体的事項として列記された八十五の事項は、数ある規制・制度の中から、どのようなプロセスを経て検討対象として選定されたのか。例えば、各省庁へのヒヤリングを行って選定したものなのか、あるいは規制を受ける業界団体からの要望事項の中から選定したものなのか等について、具体的に明らかにされたい。

五 三及び四を踏まえて、具体的事項の一つとして列記されている「民間で運営・管理する博物館等の施設におけるけん銃の展示(所持)禁止の見直し」がどのように日本を「元気」にし、わが国の成長戦略に資するのかを明らかにされたい。

六 三及び四のプロセスで選定された八十五の事項を、どのような基準に基づいて「既定の改革の実施時期を前倒しする事項」及び「五分野を中心とした需要・雇用創出効果の高い規制・制度改革事項」に分別したのかについて明らかにされたい。

七 八十五の事項の中で、既に制度としては変更ないし改革が終了しており、残すところは周知のみとなっているものを特定されたい。

八 七で特定された事項が規制・制度改革の事項としてなぜ列記されているのか。また、その事項がどのように日本を「元気」にし、わが国の成長戦略に資するのかについても併せて明らかにされたい。

  右質問する。