質問主意書

第175回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一八号

菅内閣における拉致問題への取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年八月三日

山谷 えり子   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   菅内閣における拉致問題への取組に関する質問主意書

 菅総理大臣は、平成二十二年六月十八日、拉致問題対策本部会合を開催し、家族会・救う会などに「拉致問題への取組」三項目(以下「現方針」という。)を文書で通知した。
 政府の拉致問題対策本部は平成十八年に安倍内閣によって設置され、以降六項目の「対応方針」(以下「旧方針」という。)を明文化してきた。しかし、今回菅内閣が家族会・救う会などに通知した現方針三項目と、自民党政権下の旧方針六項目を比較すると、重要な点が削除されている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 現方針では、旧方針にあった「対話と圧力」方針が削除され、それにともない、制裁実施と追加制裁検討すなわち「現在、政府としては、北朝鮮に対して、人道支援の凍結措置(平成十六年十二月二十八日発表)、万景峰九十二号の入港禁止を含む諸措置(平成十八年七月五日発表)、北朝鮮のミサイル等に関連する資金の移転防止等の措置(平成十八年九月十九日発表)、すべての北朝鮮籍船の入港禁止やすべての品目の輸入禁止を含む諸措置(平成十八年十月十一日発表)等を講じているが、今後の北朝鮮側の対応等を考慮しつつ、更なる対応措置について検討する」(旧方針二項)と、(朝鮮総連などの違法行為に対する)「厳格な法執行を引き続き実施」(旧方針三項)が削除されている。つまり圧力の部分を削除しているのだが、これは何故か。その理由を具体的に示されたい。

二 現方針では、「「特定失踪者」にかかる事案を含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に関する捜査・調査等を引き続き全力で推進していく。また、捜査・調査の結果、新たに拉致と認定される事案があれば、北朝鮮側に対して然るべく取り上げていく。」(旧方針五項)がすべて削除されているが、これは何故か。その理由を具体的に示されたい。

三 現方針では、拉致実行犯の引き渡し要求すなわち「拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡し」(旧方針一項の一部)が削除されているが、これは何故か。その理由を具体的に示されたい。

四 一~三に記述した部分が完全に削除されたことは、政府の重大な政策転換であると考えるが、見解を示されたい。

五 一~三に記述した部分の削除は、北朝鮮に対して間違ったメッセージを送ってしまうとは考えないか。

  右質問する。