第175回国会(臨時会)
質問第九号 中学校で使用される地図帳における台湾の取扱いに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十二年七月三十日 大江 康弘
参議院議長 西岡 武夫 殿 中学校で使用される地図帳における台湾の取扱いに関する質問主意書 現在、義務教育課程の中学校の社会科で使用されている地図帳は、平成十七年三月三十日に文部科学省の教科書検定に合格した帝国書院発行の『新編中学校社会科地図初訂版』と東京書籍発行の『新編新しい社会科地図』の二冊であると承知している。 このうち東京書籍の『新編新しい社会科地図』は、一二頁の図版「アジア各国の独立」の中で、日本の領土だった台湾について「1945 中国へ返還」と表記し、また、四七頁の「国土の変化」では、「1951年9月サンフランシスコ平和条約による」「日本が放棄した地域」として、朝鮮半島や台湾が黄土色で描かれている。ところが、同時に「台湾 中国へ返す」とも表記している。これでは台湾は「日本が放棄した地域」なのか「中国へ返」したのか判然とせず、学ぶ者をして混乱させるような記述となっている。 そこで、以下のとおり質問する。 一 教科書検定に合格した地図帳において、台湾を「中国へ返還」と表記していることについて、日本は一九四五年に台湾を中国に返還した事実はあるのか。もし返還が事実ならば、その根拠となる条約などは何か、政府の見解を示されたい。 二 本件に関し、今後の教科書検定においてどのように対応するのか、政府の方針を示されたい。 右質問する。 |