質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第八四号

内閣参質一七四第八四号
  平成二十二年六月十一日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出大麻種子の流通規制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出大麻種子の流通規制に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、青少年による薬物乱用の根絶及び薬物乱用を拒絶する規範意識の向上を図ることは重要であると考えており、これまでも「第三次薬物乱用防止五か年戦略」(平成二十年八月二十二日薬物乱用対策推進本部決定)に基づき、様々な広報啓発活動に取り組んでいるところであるが、この戦略を更に強化するため、薬物乱用対策推進会議薬物乱用防止戦略加速化ワーキングチームにおいて、「薬物乱用防止戦略加速化プラン(仮称)」の策定を進めているところである。

二について

 お尋ねの不正栽培のほう助罪については、不正栽培罪と区分して統計をとっておらず、また、不正栽培の予備行為及び不正栽培目的の大麻の種子の提供罪については、大麻の不正輸出入の予備行為及び大麻の不正輸出入目的の資金等の提供罪と区分して統計をとっていないため、お尋ねの検挙者数についてお答えすることは困難である。
 不正栽培目的の大麻の種子の販売者及び購入者に対する規制については、大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第二十四条、第二十四条の四、第二十四条の六及び刑法(明治四十年法律第五十号)第六十二条の規定に基づき、適切に実施されていると認識しており、したがって、これらの規定による規制の実効性は確保されていると認識している。

三について

 最近の大麻事犯の検挙者数の増加の要因としては様々なものがあると考えられるため、お尋ねの「大麻事犯の検挙者数増加と大麻種子の流通との関係」について、一概にお答えすることは困難である。

四について

 大麻の種子の国内における流通については、二についてでお答えしたとおり、大麻取締法等の規定に基づき適切に規制されていると認識している。また、大麻の種子の輸入については、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)上、加熱処理等発芽不能の処理を施した旨の証明がなければ、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)の輸入の許可は受けられないこととなっており、当該許可を受けずに輸入した場合の罰則規定も設けられているところ、これらの規定に基づき適切に規制されていると認識している。
 政府としては、発芽可能な大麻の種子の流通を防止するための啓発を強化するとともに、関係行政機関において十分な連携を図りつつ、大麻取締法、外国為替及び外国貿易法等の規定に基づき、大麻の種子の流通等の適切な規制に努めてまいりたい。