質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第六一号

内閣参質一七四第六一号
  平成二十二年四月三十日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員浜田昌良君提出初犯の薬物事犯者による再乱用防止対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出初犯の薬物事犯者による再乱用防止対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、刑事施設における薬物依存離脱指導等の施策を実施してきたところであるが、今後、関係府省が連携して、初犯の薬物事犯者のうち、保護観察が付されない執行猶予判決を受けた者に対する再乱用防止のための取組を、更に進めていく必要があるものと認識している。

二について

 お尋ねの事業については、薬物依存をやめようとする意欲のある者が自主的に参加することを前提としていたこと等により、結果的に、薬物再乱用防止プログラムへの参加者が少なかったものと考えており、今後、関係機関及び民間団体の協力の下に、例えば、警察において、薬物事犯で検挙された者に対し、民間団体が実施する各種の薬物再乱用防止プログラムに関するリーフレットを配布するなど、薬物再乱用防止プログラムへの参加の拡大に向けた取組を強化していく必要があると考えている。

三について

 お尋ねの栃木県の事業については、初犯の薬物事犯者に対し、県が民間団体と連携してグループミーティング等を活用したプログラムによる教育等を実施するなど、先進的な内容を含むものであると評価している。
 政府としては、多くの地方自治体において効果的な薬物依存症対策が実施されることが重要であると考えており、今後、地方自治体に対し、御指摘の地域依存症対策推進モデル事業(以下「モデル事業」という。)の成果を周知してまいりたい。

四について

 薬物依存症からの回復については、リハビリ施設等を運営する民間団体の活動が重要な役割を果たすものと認識しており、モデル事業のほか、本年度より、薬物依存症患者等に対する支援を医学的知識等に基づき効果的に行うことができるよう、民間のリハビリ施設等の職員に対して研修を行う依存症回復施設職員研修事業を実施し、民間団体の活動を支援していくこととしている。

五について

 御指摘の勧告を踏まえ、薬物事犯者を対象とした啓発等の支援を推進する観点から、関係行政機関が連携し、例えば、刑事施設において、未決拘禁者に貸与する書籍等の中に薬物乱用防止に関する資料等を含めること、当該資料等の閲覧を希望する者には優先的に貸与すること等の取組を検討してまいりたい。
 また、薬物乱用対策推進会議及び同会議に置かれた薬物乱用防止戦略加速化ワーキングチームにおいて、薬物事犯者に対する再乱用を防止するためのプログラムの受講の促進も含め、より実効的な薬物乱用防止対策について議論する予定であり、その中で、「薬物乱用防止戦略加速化プラン(仮称)」に、初犯の薬物事犯者に対する再乱用防止対策を盛り込む方向で検討してまいりたい。