質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一号

内閣参質一七四第二一号
  平成二十二年二月十九日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出既存住宅(中古住宅)市場の活性化と住宅のストック化に向けた施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出既存住宅(中古住宅)市場の活性化と住宅のストック化に向けた施策に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、環境問題や資源・エネルギー問題の深刻化を踏まえ、従来の「住宅を作っては壊す」社会から「良いものを作って、きちんと手入れして、長く大切に使う」社会への移行を図るという観点から、「新成長戦略(基本方針)」(平成二十一年十二月三十日閣議決定)において、「ストック重視の住宅政策への転換」を「観光立国・地域活性化戦略」の一つとして位置付け、既存住宅の流通市場等の環境整備を図ることとしている。

二及び四について

 これまでのところ、御指摘の「新たな資産価値評価の仕組み」の導入や「資産価値評価機関」の設置は検討していないが、既存住宅についてその性能等を適正に反映した評価が行われるための環境整備の一環として、既存住宅の住宅性能表示制度の更なる普及を図るとともに、個々の住宅について、リフォーム工事の内容や、既存住宅の売買時等において保険に加入する場合に受ける検査結果等の情報が蓄積されるよう、支援していくこととしている。

三について

 御指摘の保険については、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成十九年法律第六十六号)に基づき国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が提供するための枠組みを整理したところであり、お尋ねの「インスペクション」についても、当該整理を踏まえ、保険契約者によるいわゆるモラルハザードを防止するとともに、保険制度の安定的な運営を図る観点から、建築士の資格を有する検査員によって現場検査が行われることを想定しているが、その具体的内容は、各法人が保険の内容に応じて定め、国土交通大臣の認可を受けることになる。

五について

 御指摘の「ノンリコースローン」については、米国等においてそのような融資が実態上行われているとは承知しているが、これらの国における既存住宅市場の状況は、流通量、流通価格等の点で我が国と大きく異なっていると認識している。政府としては、我が国の既存住宅市場の環境整備を推進するため、これまで、住宅性能表示制度の創設及び普及の促進、既存住宅の改修等に係る情報の蓄積の促進等を図ってきているところであり、これらの施策の実施に引き続き取り組んでいくとともに、ノンリコースローンの導入等に関する検討を進めてまいりたい。
 また、既存住宅に係るローンも含め、住宅ローンについては、独立行政法人住宅金融支援機構を活用して、一定の基準を満たす優良な住宅の取得に係る融資の金利の引下げや、住宅融資保険制度に係る民間金融機関の保険料率の引下げを行っているところであり、これらの施策の実施に引き続き取り組んでまいりたい。

六について

 合併処理浄化槽に関しては、新たに導入する住宅版エコポイント制度において、住宅の断熱性能を向上させるためのリフォーム等を対象に発行されたポイントを、合併処理浄化槽の設置工事を含め、ポイント発行対象工事の施工業者が同時に行う様々な工事の費用に充当できる仕組みとすることとしており、合併処理浄化槽の普及・促進に寄与するものと考えている。