質問主意書

第174回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質一七四第一一号
  平成二十二年二月九日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員川田龍平君提出風力発電施設の建設及び稼働に伴う諸問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出風力発電施設の建設及び稼働に伴う諸問題に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 一部の風力発電施設の近隣住民が健康影響を訴えていることは承知しているが、一般に、健康影響と風力発電施設の稼働との間の関係については明らかとはなっていないものと承知している。
 騒音等を含む風力発電施設の環境影響については、経済産業省においては、民間事業者による風力発電施設の設置に要する費用の一部を補助するに当たり、事前の環境影響評価の実施をその要件とすることにより、事業者に対して環境影響の把握に努めるよう指導している。また、風力発電施設の稼働後に騒音等の問題が発生した場合にも、個別事案ごとに、事業者から状況を聴取するなど、その実情の把握に努めている。環境省においては、平成二十年度及び二十一年度に、「移動発生源等の低周波音に関する検討会」において、風力発電施設から発生する低周波音に関する検討を行っており、また、平成二十二年度から、「風力発電等による低周波音の人への影響評価に関する研究」を行い、早急に取りまとめることにしているなど、実態調査の実施を含め、知見の充実に努めている。
 政府としては、今後とも、風力発電施設の稼働に伴う騒音等の影響について注視し、仮に健康影響と風力発電施設の稼働との間の関係が明らかになった場合には、適切な措置について検討してまいりたい。
 なお、風力発電施設の設置に先立っての環境影響評価の実施の義務付けについては、平成二十二年一月二十九日に意見募集のために公表された、今後の環境影響評価制度の在り方に関する中央環境審議会総合政策部会環境影響評価制度専門委員会の報告案において、風力発電施設の設置を環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)の対象事業として追加することを検討すべきとされている。今後、本報告案を基に、中央環境審議会において答申が取りまとめられる予定であり、当該答申を踏まえ対応を検討してまいりたい。

三について

 大型風力発電施設の設置により、野生生物や景観への影響が生じるとの指摘がなされていることは承知している。風力発電の推進に当たっては、自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)等関係法令の適切な執行により、野生生物や景観の保全等との両立を図るとともに、風力発電施設の設置による自然災害の発生を防止する必要があると考えている。なお、風力発電施設の設置が観光関連産業を始めとする地域産業に与える影響については、様々なものが考えられることから、一概にお答えすることは困難である。