質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第八二号

外来等に係る高額療養費に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年五月二十七日

浜田 昌良   


       参議院議長 江田 五月 殿



   外来等に係る高額療養費に関する質問主意書

 高額療養費制度の見直しについて、長妻厚生労働大臣は平成二十二年五月十一日の参議院厚生労働委員会において、「高額療養費の一般の所得区分を二つに分ける必要があるんではないかということなどなどいろいろな論点を御提言いただいておりますので、これについて患者負担の現状や保険者の意見も伺う必要がございますので、患者、保険者、医療関係者が入った社会保障審議会で議論をして、今年中、遅くとも今年度中に一定の結論を出していきたいと思っています。」と答弁した。
 高額療養費制度では、入院に係る高額療養費については現物給付化されている。一方、外来(通院・投薬)に係る高額療養費については償還払いである。
 長期にわたり高額な薬剤を服用しなければならない通院での抗がん剤治療等では、窓口負担額が非常に高額となる場合があり、自己負担限度額を超えた部分は後に払い戻されるとはいえ、一旦は高額な窓口負担額を用意しなくてはならない。病気等のために生活が苦しく、高額な窓口負担額を用意することが困難な方もおり、入院だけでなく外来等に係る高額療養費についても現物給付化することが望まれている。平成二十二年五月十二日の毎日新聞の記事では、今年三月に開かれた厚生労働省がん対策推進協議会で、がん患者会「グループ・ネクサス」の理事長(同協議会委員)が意見書を読み上げ、外来での立て替え負担の解消を訴えたことが紹介されている。また、「三か月待つことなく、超過分を支払わなくてよい制度があれば、どれほど安心して治療を受けられたか」との患者側の声も紹介されている。
 患者の負担を軽減するためには、高額療養費制度の自己負担限度額見直しを行うだけでなく、外来等に係る高額療養費を現物給付化する必要があると考える。
 そこで、以下のとおり質問する。

 現在、高額療養費の現物給付化は入院の場合に限られているが、外来等についても現物給付化する必要があると考える。例えば、慢性骨髄性白血病の治療薬であるグリベックを三十日分処方された場合、窓口負担三割であれば十万円弱が必要となる。外来患者のうち、高額な薬剤の使用等に伴い一月の窓口負担額が自己負担限度額以上になることが予想される者については、入院の場合と同様に限度額適用認定証を利用し窓口負担を軽減することなどが考えられる。
 政府は高額療養費制度の見直しについて、社会保障審議会で議論し今年度中に結論を出すとしているが、高額療養費制度の見直しだけでは患者の窓口負担は軽減されない。この社会保障審議会の中で、同時に、外来等の高額療養費の現物給付化も検討を進める必要があると考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。