質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第五九号

普天間基地移設に係る北澤防衛大臣の発言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年四月十三日

佐藤 正久   


       参議院議長 江田 五月 殿



   普天間基地移設に係る北澤防衛大臣の発言に関する質問主意書

 平成二十二年四月六日に行われた北澤防衛大臣の記者会見において、記者から普天間基地移設問題について「これから担当の大臣がそれぞれ役割分担されて取り組まれるとお聞きしましたが、大臣ご自身は今後、この問題にどのような役割を担われることになったのでしょうか」との問いがあったのに対して、北澤防衛大臣は「地元調整、それから米側との調整を、防衛省とすれば今までの知見を十分に活用してサポートしていきたいと思っております」と答えている。
 また、同記者会見において、記者から「沖縄との窓口は、官房長官と大臣とどちらが担われることになるのでしょうか」との質問を受け、北澤防衛大臣は「沖縄は普天間が返還されるということですから、官房長官が責任をもって行う話で、しかし、防衛省とすれば沖縄に地方局まで設けているわけですから、しっかり協力して行っていきます」と答えている。
 防衛省設置法では、その所掌事務について、第四条で「防衛省は次に掲げる事務をつかさどる」とし、同条第十九号で「条約に基づいて日本国にある外国軍隊(以下「駐留軍」という。)の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関すること」と規定している。
 しかしながら、北澤防衛大臣は前記の記者会見において「サポートしていきたい」と、あくまでも「従的」立場での発言を行い、また、「沖縄は普天間が返還されるということですから、官房長官が責任をもって行う話」と米軍基地返還について官房長官の所掌であるかのような発言をしている。
 さらに、四月八日の参議院外交防衛委員会において、土地の使用、借り上げあるいは立ち退きなどの実務に関するこれまでの経験を質したところ、北澤防衛大臣は「例えばオリンピックを招致するとかバイパスを造るとかいうことではなくて、いわゆる一般的に言えば迷惑な施設としての米軍の駐留地を形成する」と答弁した。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 駐留軍の使用に供する施設及び区域の決定に関することは、防衛省の所掌と認識しているが、政府の見解如何。

二 同じく駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関することは、防衛省の所掌と認識しているが、政府の見解如何。

三 以上の点から、普天間基地移設及び同基地返還に関することは、防衛省の長たる防衛大臣が責任をもって行うべきであると考えるが、北澤防衛大臣は本問題の協議のため、何度沖縄に入り、何度訪米し、何度駐日米国大使と面談したのか、明らかにされたい。

四 北澤防衛大臣は四月八日の参議院外交防衛委員会において、米軍施設を「迷惑な施設」と発言したが、それは北澤防衛大臣の平素からの認識であるのか。

五 普天間基地移設などをはじめとする在日米軍再編の主眼は「抑止力の維持」と「負担の軽減」であると認識している。北澤防衛大臣の「迷惑な施設」との発言は、日米安全保障条約の根幹に関わるものと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。