質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第五一号

自動体外式除細動器(AED)の適正な管理・使用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年三月三十日

神取 忍   


       参議院議長 江田 五月 殿



   自動体外式除細動器(AED)の適正な管理・使用に関する質問主意書

 我が国では、二〇〇四年に一般にも自動体外式除細動器(AED)の使用が認められ、現在全国に二十万台以上が設置されており、駅や百貨店など公共の場に設置されたAEDが、救命率向上や心停止患者の社会復帰に役立っているという民間の調査結果も出ている。
 しかし、AEDは設置者等において適切な管理が行われなければ、人の生命及び健康に重大な影響を与える恐れもある。本年、全国メディカルコントロール協議会連絡会が全国の消防機関を対象に実施した調査では、AEDの不具合が疑われた事例の報告が計三百二十八件あった。このような事態に対し、AEDの適切な管理等を徹底させるためには、その設置者等に対して日常点検や消耗品の管理等の実施を徹底させると共に、AEDの設置場所についても、人の流動、時間、場所などを勘案し、効果的かつ適正な設置を徹底させなければならないと考える。そこで、以下質問する。

一 AEDの不具合を防止するためには、設置者及び所有者における適正な管理を徹底させることが重要であり、それらの者に対してAEDの定期的な点検と点検担当者の設置を義務付けるべきであると考える。そこで、AEDの定期点検の現状と今後の定期点検の義務付けについて、政府の見解を問う。

二 鉄道駅構内におけるAED設置数の現状について、政府の把握しているところを示されたい。また、鉄道駅構内にAEDを設置する場合、終電後の鉄道駅の閉鎖に伴い、一般市民は夜間に当該AEDの使用ができなくなる。AEDの設置場所については、一般市民が終日使用できる場所とするよう勘案する必要があると考えるが、このような視点から、鉄道駅構内におけるAEDの設置場所の改善について、政府の見解を問う。

三 現在の法令上、AEDの設置者及び所有者には、その使用・管理に対する法的な責任がなく、設置者等の入れ替わりなどによっては、継続的なAEDの設置と適切な管理に支障を来し、AED取扱いの安全面に危険が伴うことが予想される。AED設置の段階においては、その取扱いの責任の所在を明確にし、設置責任者を置き、設置責任者は必ずAEDを使用した心肺蘇生法講習を受講することが必要であると考えるが、政府の見解を問う。

  右質問する。