質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第三四号

年度末資金需要に対する中小企業信用保証の審査要件の緩和及び保証料・金利引き下げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年二月二十五日

浜田 昌良   


       参議院議長 江田 五月 殿



   年度末資金需要に対する中小企業信用保証の審査要件の緩和及び保証料・金利引き下げに関する質問主意書

 現在、百年に一度という経済危機の中、年度末の資金需要期を控え、中小・零細企業においては信用保証の審査要件の緩和を望む声が多い。しかし、都道府県などの信用保証協会がその審査要件を緩和しない理由として、代位弁済の際の信用保証協会の損失負担があると指摘されている。
 一方、「中小企業金融安定化特別保証制度対応信用保証協会基金」は、平成十年十月から十三年三月までの間に行われた「中小企業金融安定化特別保証」(以下「特別保証」という。)に係る代位弁済の際の信用保証協会の損失負担をゼロにするものであるが、平成二十年度末で、全国で四百三十四億円の残高があり、そのうちの三百九十一億円は今後も取り崩されることのないことが平成二十年度会計検査で明らかとなった。これを受け、平成二十年度に創設した「原材料価格高騰対応等緊急保証」(以下「緊急保証」という。)等に係る損失処理に当該基金を充当できるように昨年六月に関連する省令改正が行われたところである。
 また、緊急保証等においては保証料が〇・八%に引き下げられているものの、民間金融機関の金利は二%程度と下げ止まっており、合計約三%という負担はデフレ経済の中、中小企業に大きくのしかかっている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 当該省令改正により、緊急保証等に係る代位弁済の際の信用保証協会の損失負担が最高四%であったものが、ゼロになると考えられることから、当該基金の残高が大きい信用保証協会においては、審査要件の緩和を実施できる条件にあると考えられる。よって、年度末の資金需要期を控え、当該基金残高が大きい愛知、静岡、京都等の信用保証協会に対して、審査要件の緩和を図るよう早急に指導を行うべきと考えるが、鳩山内閣の見解如何。

二 当該基金の残高のない都道府県などの信用保証協会に対しては、平成二十一年度第二次補正予算及び平成二十二年度本予算において緊急保証等の損失処理に対する基金造成資金として三百二十六億円及び三十九億円が計上されていることを踏まえ、当該損失補填の比率を従来の十分の八から特別保証並みの十分の十に変更することにより、年度末の資金需要に対する信用保証の審査要件の緩和を指導すべきと考えるが、鳩山内閣の見解如何。

三 一又は二の対応により、都道府県などの信用保証協会の代位弁済の際の損失負担が大きく減少することから、これらの対応の対象となる信用保証を行う場合の保証料を引き下げることが可能になると考えられる。また、緊急保証等においては信用保証協会が満額代位弁済を行い、民間金融機関は信用リスクを負っていないにもかかわらず、約二%という金利水準はデフレ経済の中で高すぎるとの中小企業からの不満があることにも鑑み、合計約三%という信用保証付融資の実質的な金利負担の引き下げを指導すべきと考えるが、鳩山内閣の見解如何。

  右質問する。