質問主意書

第174回国会(常会)

質問主意書


質問第三〇号

「子ども環境保健関係大臣世界サミット(仮称)」の開催や子ども環境全国実態調査などに関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年二月二十三日

加藤 修一   


       参議院議長 江田 五月 殿



   「子ども環境保健関係大臣世界サミット(仮称)」の開催や子ども環境全国実態調査などに関する再質問主意書

 政府は、「「子ども環境保健関係大臣世界サミット(仮称)」の開催や子ども環境全国実態調査などに関する質問に対する答弁書」(内閣参質一七四第一八号。平成二十二年二月十六日付け)中の「二について」において、「お尋ねの「全国実態調査の実施」については、平成二十二年度から実施する「子どもの健康と環境に関する全国調査」(以下「エコチル調査」という。)の進展に従って得られる知見も踏まえた上で、検討してまいりたい。」と答弁しているが、質問の趣旨を取り違えて不適切な答弁をしており、質問の趣旨に全く答えていない。そこで、全国実態調査の実施について、以下のとおり改めて質問する。

 二〇〇八年の米国の国立環境センター(EPA)の報告書では、子どもの神経、免疫等の機能は未発達で、また、体重比率で大人に比べ食物、飲料を多く摂取し、呼吸量も多い上、子どもは床を這う、モノを口に入れるといった行動パターンによって暴露の程度も高く、環境汚染の影響を受ける危険性が高いと指摘している。
 そこで、前回質問主意書の中で、暴露の原因になる化学物質はどこに存在するのかを明確にするとともに、暴露の機会をいかに少なくするかを検討し、予防的取り組み方法や代替原則等の施策につなげる為に、子どもがかかわる環境、即ち、保育所、幼稚園、グランド、教室、遊具と公園、遊園地、子ども部屋、産室、公共施設などにおいて、化学物質、塗料、脱臭剤、殺虫剤、ワックスなどの家庭用品等が、どの様にかかわり、どのくらい存在しているかについての全国実態調査を、環境省のみならず省庁横断的、日本列島縦断的なテーマとして連携して実施すべきことを提言したのである。
 従って、エコチル調査の「進展に従って得られる知見も踏まえた上で」全国実態調査の実施を検討する旨の答弁は全く的外れであり、全国実態調査は、長期間を要するエコチル調査の「進展に従って得られる知見」を待って実施すべき調査ではない。当該調査は、世界的な化学物質に対する規制強化の動きの中で、子ども環境の「安全・安心」にかかわる極めて大事な調査であると指摘したい。
 「全国実態調査」は、既に生誕している子どもが置かれている環境を対象に調査する属地的調査であるのに対し、「エコチル調査」は、妊婦の時期からおよそ十五年間に及ぶコホート調査であり、被験者の属人的調査である。両調査の趣旨はまったく異なることは明白である。
 全国実態調査の実施は、鳩山総理が施政方針演説で掲げた「人の命を守る」との趣旨に照らしても重要な課題であると考えるが、改めて当該調査の実施について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。