質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八七号

内閣参質一七三第八七号
  平成二十一年十二月十一日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出地方税の目的税である「狩猟税」の使途に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出地方税の目的税である「狩猟税」の使途に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十五年度から平成十九年度までの間の年度別の野生鳥類及び野生獣類による農作物の被害額並びにそれらの合計額については、次のとおり都道府県から農林水産省に報告されている。
 平成十五年度 七十九億六千八百万円 百十九億六千八百万円 百九十九億三千五百万円
 平成十六年度 七十八億六百万円 百二十七億六千万円 二百五億六千六百万円
 平成十七年度 六十九億五百万円 百十七億八千四百万円 百八十六億八千九百万円
 平成十八年度 六十一億千万円 百三十五億二千九百万円 百九十六億四千万円
 平成十九年度 五十二億八千百万円 百三十二億千四百万円 百八十四億九千五百万円
 また、平成十五年度から平成十九年度までの間の年度別の野生鳥類及び野生獣類による林業被害面積並びにそれらの合計面積については、次のとおり都道府県から林野庁に報告されている。なお、林業被害額については、把握していない。
 平成十五年度 三ヘクタール 七千二百五十四ヘクタール 七千二百五十七ヘクタール
 平成十六年度 三ヘクタール 七千三百八十八ヘクタール 七千三百九十一ヘクタール
 平成十七年度 二ヘクタール 五千八百十二ヘクタール 五千八百十四ヘクタール
 平成十八年度 三ヘクタール 五千百三十八ヘクタール 五千百四十一ヘクタール
 平成十九年度 零ヘクタール 五千九百五十ヘクタール 五千九百五十ヘクタール

二について

 お尋ねの狩猟者の登録に係る都道府県別の狩猟者登録証の交付件数については、鳥獣関係統計(各都道府県から提出された鳥獣の保護及び狩猟に関する情報等を環境省において取りまとめた資料をいう。以下同じ。)に記載されているものであり、鳥獣関係統計は環境省ホームページに掲載されている。狩猟税が創設された平成十六年度以降の「狩猟者の登録に係る都道府県別の狩猟税額」については、それぞれの都道府県の都道府県決算カードに記載されているものであり、同カードは総務省ホームページに掲載されている。
 また、「行政からの補助金」及び「狩猟税に対する充足率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七百条の五十一に定める狩猟税の使途に沿った事業を行う団体に対する都道府県からの補助金の全国的な状況については把握しておらず、鳥獣関係統計における「鳥獣行政関係歳出予算(都道府県)」の合計額に対する全都道府県の狩猟税収の割合について、狩猟税が創設された平成十六年度から最新の鳥獣関係統計の数値が公表されている平成十八年度までについてお答えすると、平成十六年度が約五十一・三パーセント、平成十七年度が約五十一・五パーセント、平成十八年度が約四十九・五パーセントとなっている。

三について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、狩猟税は、地域の実情を踏まえた鳥獣の保護及び狩猟に関する行政の実施に幅広く充当されることが必要と考えており、その使途を現行制度以上に限定する考えはない。

四について

 地方税法第七百条の五十一の規定に基づき、都道府県は狩猟税を鳥獣の保護及び狩猟に関する行政の実施に要する費用に充てることとされており、政府においては、狩猟者の育成・確保対策として、都道府県に対し狩猟者講習会を始めとする関係施策の充実をお願いしているところである。また、政府においても、狩猟者の減少や高齢化の現状にかんがみ、狩猟者を対象にした研修会の開催等の鳥獣保護管理に係る人材育成のための事業を実施しているところであり、引き続きこれらの施策を充実させてまいりたい。

五について

 狩猟税は、鳥獣の保護及び狩猟に関する行政を適切に推進していくために都道府県が課する税として貴重な財源となっており、「狩猟税の減額」を検討する考えはない。