質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七四号

内閣参質一七三第七四号
  平成二十一年十二月八日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出八ッ場ダムに係る地裁判決等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出八ッ場ダムに係る地裁判決等に関する質問に対する答弁書

一について

 八ッ場ダムの治水効果については、国土交通省において、昭和二十二年九月の洪水時と同程度の降雨量で、同洪水時を含む過去に生起した三十一の洪水時の降雨パターンを基に、一級河川利根川水系利根川の基準地点である八斗島地点における流出計算を行った結果によれば、同地点における洪水のピーク流量に対する八ッ場ダムの洪水調節量は、そのうち二つの洪水時の降雨パターンにおいては零であるものの、最大で毎秒約千五百立方メートル、平均で毎秒約六百立方メートルとなっている。

二から四までについて

 八ッ場ダムについては、本体工事を中止する考えを表明しているところであって、今後、治水、利水等の観点から検証を行うこととしており、現時点では、お尋ねの点については検討していない。

五について

 お尋ねの「水源地対策特別措置法第十二条第一項に基づく水源地域整備事業費」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、水源地域対策特別措置法(昭和四十八年法律第百十八号)第四条の規定に基づく「利根川水系吾妻川八ッ場ダムに係る水源地域整備計画」に定められた整備事業(以下「八ッ場ダム水源地域整備事業」という。)に係る平成二十年度までの経費の総額及び今後予定されている経費の総額は、それぞれ約五百十三億円及び約四百八十四億円であり、このうち、同法第十二条第一項に基づきこれらの経費の一部を負担する者が負担した額及び負担することが予定されている額は、それぞれ、茨城県が約十三億円及び約十四億円、埼玉県が約六十九億円及び約七十三億円、千葉県が約三十億円及び約三十一億円、東京都が約六十三億円及び約六十七億円、群馬県が約二十一億円及び約二十二億円と承知している。
 また、お尋ねの「財団法人利根川・荒川水源対策基金の事業費」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、群馬県、長野原町及び東吾妻町が八ッ場ダムの建設に伴い、ダム建設予定地等の地元住民の生活再建及びダム建設予定地等の振興のために実施する事業に必要な資金について、財団法人利根川・荒川水源地域対策基金が行う貸付け、交付等の援助(以下「八ッ場ダム基金事業」という。)に係る平成二十年度までの経費の総額は約四十一億円であり、当該経費を負担する者ごとの負担額は、茨城県が約三億円、埼玉県が約十五億円、千葉県が約七億円、東京都が約十四億円、群馬県が約三億円と承知している。今後必要とされる八ッ場ダム基金事業に係る経費の総額等については、関係都県において協議中と承知している。
 八ッ場ダムについては、本体工事を中止する考えを表明しているところであって、今後、治水、利水等の観点から検証を行うこととしており、現時点では、ダム建設が中止された場合における八ッ場ダム水源地域整備事業に係る経費及び八ッ場ダム基金事業に係る経費の取扱いについて、関係都県における検討はなされていないと承知している。

六について

 ダム建設予定地等の地元住民の生活再建対策については、今後、関係地方公共団体、地元住民等との話合いを行いながら、検討していくこととしている。