質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七〇号

内閣参質一七三第七〇号
  平成二十一年十二月八日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出「子ども環境保健」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出「子ども環境保健」に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 「子どもの健康と環境に関する全国調査」(以下「エコチル調査」という。)については、平成二十二年度からの全国調査の実施を念頭に、予備調査を平成二十年度から二か年計画で実施しているところである。また、平成二十一年度には、全国調査の実施のための情報管理システム及び冷凍保存システムの整備を実施しているほか、平成二十一年九月には、環境省総合環境政策局環境保健部長の私的検討会である「子どもの健康と環境に関する全国調査検討会」において、全国調査の実施に当たっての基本計画案を公表したところである。このように、政府としては、エコチル調査の円滑な推進に向けた取組を着実に進めているところである。
 政府としては、エコチル調査から得られた知見を、子供の健康に影響を与える環境リスクの低減に結び付けていくことが重要であると考えており、当該知見の環境基準への反映や、当該知見の事業者への提供を通じた当該事業者の自主的な取組の促進等により、当該知見を我が国における適切な環境リスク管理体制の構築につなげてまいりたい。また、御指摘の「法制化」や「各国の法整備研究」の実施についても、必要に応じて検討してまいりたい。
 なお、エコチル調査は、疫学的な手法に基づいて、環境要因が子供の病気や成長・発達に与える影響を明らかにすることを目的としたものであるが、これと同時に、子供の病気の発症メカニズムについて医学的に解明していくことが重要であると考えている。このため、エコチル調査と並行して、子供の病気の発症メカニズムの医学的解明についても、調査研究を進めることとしている。

三及び四について

 子供は、胎児期や乳幼児期においては母親の胎内環境や母乳の影響を強く受けるとともに、その後においても環境要因に敏感であることから、政府としては、子供の健康に影響を与える環境リスクに関する意見や情報の交換(以下「子供の環境保健に関するリスクコミュニケーション」という。)を推進していくことが重要であると認識している。そこで、政府としては、平成十五年以降毎年、子供の環境保健に関するシンポジウムを開催するなどの取組を進めており、今後とも、子供の環境保健に関するリスクコミュニケーションの積極的な推進に努めてまいりたい。
 なお、御指摘の「東京都モデル」は、子供の環境保健に関するリスクコミュニケーションの推進についての先駆的な取組と認識している。

五について

 御指摘の「無駄」や「不要・不急」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、御指摘の「環境省の二十三事業」を含め、事業仕分けの対象となった事業・組織等については、各府省が提出した平成二十二年度予算概算要求の内容について、関係府省からの説明の聴取、現場視察等を行った上で、平成二十一年十月二十二日に開催した第一回行政刷新会議において了承された「事業見直しの視点」(以下「視点」という。)等を踏まえ、同年十一月九日に開催した第二回行政刷新会議において決定したものである。御指摘の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」については、視点のうち、「手段として有効であるか」等に該当したものと認識している。