質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四六号

内閣参質一七三第四六号
  平成二十一年十二月一日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加藤修一君提出低炭素社会実現の基盤である環境配慮型産業への変革によって低炭素社会における環境と経済の両立の実現を図る政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出低炭素社会実現の基盤である環境配慮型産業への変革によって低炭素社会における環境と経済の両立の実現を図る政策に関する質問に対する答弁書

一について

 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号。以下「グリーン購入法」という。)第六条第一項の規定に基づき定められた環境物品等の調達の推進に関する基本方針(平成二十一年二月十三日閣議決定)においては、国及び独立行政法人等が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類の一つとして、電気自動車等を定めている。また、グリーン購入法第七条においては、各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、毎年度、当該基本方針に即して、環境物品等の調達の推進を図るための方針を作成し、当該方針に基づき当該年度における物品等の調達を行うものとされている。
 また、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律(平成十九年法律第五十六号。以下「環境配慮契約法」という。)第五条第一項の規定に基づき定められた国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針(平成二十一年二月六日閣議決定)においては、「自動車の購入及び賃貸借に係る契約のうち、入札に付する契約の締結に当たっては、購入価格及び環境性能を総合的に評価し、その結果がもっとも優れた提案をした者と契約を締結する」こととされている。
 政府としては、これらの基本方針等に基づき、電気自動車等の調達の推進を図っているところであり、今後とも、このような取組を進めてまいりたい。
 なお、グリーン購入法第十条においては、都道府県、市町村及び地方独立行政法人(以下「地方公共団体等」という。)は、毎年度、環境物品等の調達の推進を図るための方針を作成するよう努め、当該方針を作成したときは、当該方針に基づき当該年度における物品等の調達を行うものとされている。また、環境配慮契約法第十一条においては、地方公共団体等は、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する方針を作成するよう努め、当該方針を作成したときは、当該方針に基づき温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとされている。政府としては、今後とも、これらの規定に基づく地方公共団体等による取組が進むよう、必要な助言等を行ってまいりたい。

二及び五について

 地域や家庭において太陽光等の再生可能エネルギーの導入を拡大するには、電力の安定供給に資するような蓄電設備を電力系統側又は公的施設内や事業所内等に整備することや、電気自動車用の充電設備等を整備することが重要である。政府としては、充電設備の設置に対する助成等を実施しているが、これらの設備に用いられる蓄電池には、低価格化及び高性能化に向けた研究開発課題も多いことから、このような研究開発への支援を含め、今後とも必要な支援を継続してまいりたい。

三について

 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会グリーンエネルギー利用拡大小委員会が平成二十年六月に取りまとめた「グリーン電力証書ガイドライン」に基づき、平成二十年度に証書発行事業者が発行したグリーン電力証書により証明された電力量の合計は、一億六千四百四十五万キロワットアワーであると承知している。政府としては、グリーン電力証書の発行量の更なる拡大を図るため、制度の広報その他必要な措置を講じてまいりたい。

四について

 太陽光や雪氷熱等の再生可能エネルギーから得られるいわゆるグリーン熱の利用拡大は、我が国の再生可能エネルギーの利用拡大に向けた重要な課題であると認識している。グリーン熱の利用拡大のためには、例えば、グリーン電力と同様にその環境価値を証書として取引する制度を導入することが考えられるが、政府としては、東京都における取組の状況も踏まえつつ、グリーン熱の環境価値を証書化するに当たっての具体的な熱量の計量方法等について検討してまいりたい。

六及び七について

 電気自動車等については、本年度から国内自動車製造事業者による本格的な市場投入が開始されており、我が国の二酸化炭素排出量の削減や産業競争力の強化の観点から、今後の普及が期待されるところである。
 お尋ねの「J―VER制度や国内クレジット制度とのリンクと拡充策」や「グリーン優遇税制」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、支援措置の導入に当たっては、それぞれの政策課題を検討するとともに、その効果についても検証する必要があると認識している。
 なお、電気自動車等の普及に向けて、政府としては、蓄電池技術の開発に対する支援や、充電設備の設置に対する助成等を実施しており、今後とも適切な支援措置を検討してまいりたい。

八について

 エタノールを十パーセント超の割合で混合した揮発油を燃料として用いることができる自動車については、関係省庁が、国内自動車製造事業者に対する随時のヒアリングを通じて、課題及びその対応状況の把握に努めているところである。なお、エタノールを十パーセント以下の割合で混合した揮発油を燃料として用いることができる自動車については、現在、関係省庁が連携して、安全面及び環境面からの試験研究を実施しているところである。