質問主意書

第173回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一七三第一九号
  平成二十一年十一月十七日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員浜田昌良君提出薬物依存症の治療・支援体制の整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田昌良君提出薬物依存症の治療・支援体制の整備に関する質問に対する答弁書

一について

 これまでの薬物対策については、薬物の不適正使用・有害使用の防止に重点が置かれ、依存症に対する治療的な視点が乏しく、依存症患者が治療・支援を受けにくい状況が生み出されてきたと認識しており、このような状況の改善を図るため、これまでの精神科病院等及び民間のリハビリ施設等における依存症患者に対する治療・支援の効果を検証しつつ、依存症患者に対する治療・支援体制の充実に努めてまいりたいと考えている。

二について

 薬物依存症対策に係る経費については、医療保険給付諸費、麻薬等対策推進費、障害者自立支援給付費負担金等の予算項目から支出してきており、単独の予算項目として計上していないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。なお、厚生労働省においては、平成二十一年度予算において、地域依存症対策推進モデル事業に係る経費として五千八万五千円を計上するとともに、平成二十二年度予算概算要求において、一億二千八百九十一万円を計上しているところである。

三について

 お尋ねの支援体制については、精神科病院等における外来診療としては、例えば通院精神療法等が行われているが、これは公的医療保険の適用対象となっているところである。また、民間のリハビリ施設等における回復のための支援としては、例えば自立訓練等が行われているが、その一部は障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)に基づく公費負担の対象となっているところである。これらの施策に係る予算については、当該施策が薬物依存症患者のみを対象としたものでないことから、お答えすることは困難である。また、そのような診療・支援に従事している医師及び職員の数についても把握していないため、お答えすることは困難である。
 いずれにせよ、今後とも、地域依存症対策推進モデル事業の活用も含めた支援の拡充に努めてまいりたい。

四及び五について

 御指摘の「省庁の壁を越えた受け皿づくり」は重要であると認識しており、御指摘のモデル事業を実施しているところであるが、今後とも、同事業への参加自治体の拡大に努めてまいりたい。