質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九五号

普天間飛行場の移設問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十二月三日

佐藤 正久   


       参議院議長 江田 五月 殿



   普天間飛行場の移設問題に関する質問主意書

 普天間飛行場は、昭和二十年に米軍が使用を開始したが、現在は住宅地に囲まれ、街づくりや安全・騒音などの面で、住民生活に大きな影響を与えている。
 平成八年十二月にはSACO最終報告において、日米両政府が五~七年以内に移設・全面返還することで合意がなされており、また、平成十八年五月には再編実施のための日米ロードマップにおいて最終とりまとめがなされている。このことを踏まえ、以下質問する。

一 平成十八年五月の「再編実施のための日米ロードマップ」において、二〇一四年までの完成を目標とした工事工程が記されているが、ロードマップの工程を中止した場合、移設事業の完成は大幅に遅れるものと思われる。
 そこで、普天間移設事業を延期した場合、その間の基地周辺住民への対応策について、どのように取り組んでいくのか、政府の見解を示されたい。

二 岡田外務大臣は、普天間飛行場を嘉手納基地に統合すべきであるという見解を示しているが、嘉手納基地への統合は、①嘉手納基地は固定翼中心であるが、普天間飛行場は回転翼中心であり、混合編成は運用上危険である点、②有事の際、普天間飛行場が機能しなくなった時の緊急代替施設としての機能を嘉手納基地が持つ点、③騒音の拡大が懸念される点から困難であると考える。
 そこで、岡田外務大臣は、固定翼と回転翼が同一基地において並存することなどの問題をかかえる嘉手納基地統合をどうして持ち出したのか、またこれが実施できなかった場合の岡田外務大臣の責任問題はどうなるのか、政府の見解を示されたい。

三 在日米軍再編は、パッケージで構成されており、一つでも移転計画が狂うと、大幅な計画変更を強いられるものと考える。
 米海兵隊普天間飛行場は、在沖米海兵隊の航空能力に関し、①ヘリなどによる海兵隊の陸上部隊の輸送機能、②空中給油機を運用する機能、③緊急時に航空機を受け入れる基地機能を果たしているが、普天間飛行場を「県外か、国外か」に移した場合、これらの機能はどの部隊が引き継ぐことになるのか、政府の見解を示されたい。

四 福島消費者担当相は、普天間基地の移設先として、グアム、硫黄島も一つの選択肢として、具体名に言及している。そこで、政府として、普天間基地の移設先として、グアム、硫黄島を検討しているのか、見解を示されたい。

五 二〇〇六年五月に、キャンプ・シュワブ沿岸部を移設先とする「ロードマップ」に日米が合意したわけであるが、合意を破棄した場合、米国に対する条約上の法的な補償等の問題は生じないのか、政府の見解を示されたい。

六 鳩山総理は、日米合意に関して発言を二転三転しており、トップリーダーとしての見識を疑う。また、鳩山総理は本年十一月三十日に参議院本会議で行われた平成二十年度決算の概要報告への質疑に対し、「日米のハイレベルの協議が、今日までの経緯に関しまして検証をすべく協議が開始をされております。この件に、普天間の移設問題に関しましては、時期を含めて最終的に私が決めてまいります。」と答弁しているが、いつまでに結論を出すのか、明確に見解を示されたい。

  右質問する。