質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八二号

ゲイツ米国防長官と北澤防衛大臣との会談に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十二月二日

川口 順子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   ゲイツ米国防長官と北澤防衛大臣との会談に関する質問主意書

 本年十月二十一日、北澤防衛大臣は訪日中のゲイツ米国防長官と会談を行った。十一月十日の参議院予算委員会において、この会談におけるインド洋での給油活動についての北澤防衛大臣とゲイツ長官とのやりとりに関し、佐藤正久参議院議員が質したところ、北澤防衛大臣から「先ごろのゲイツ国防長官との会談の中で、ゲイツ長官は、既にアメリカは受益国ではないと、このように言っていました」との答弁があった。
 この答弁に関し、以下のとおり質問する。

一 米国防総省ホームページの、十月二十一日日米防衛相共同記者会見News Transcriptによると、給油活動に関する記者との質疑のなかでゲイツ長官は以下のとおり発言した。
 「・・・The reality is the United States is not the primary beneficiary of the replenishment effort ; others of our partners are, and we'll have to look at alternatives should the replenishment mission end.・・・(日本語訳『現実には、アメリカは補給支援活動の主たる受益国ではない。我々のパートナーである他の参加国が主たる受益国である。そして、もし補給支援活動が終了するなら、我々は代替手段を考えねばならない。』(川口順子事務所訳))」
 すなわち、ゲイツ長官は、アメリカは主たる受益国ではないと言っただけで、アメリカは受益国ではないとは言っていない。北澤防衛大臣の予算委員会での答弁は正しいのか、それとも誤りであるのか、見解を示されたい。

二 防衛省の国別補給活動の実績(補給量:本年九月三十日現在)によると、米国艦船は平成二十一年だけでも、一月(九四五キロリットル)、三月(一五〇キロリットル)、八月(一一九五キロリットル)に艦船用燃料の補給を受けており、受益者である。
 これと前記一で引用したゲイツ長官発言を併せて考えると、北澤防衛大臣の答弁は虚偽ではないか。答弁を訂正し、謝罪すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 米国艦船への補給実績の事実を踏まえると、ゲイツ長官の発言に対して北澤防衛大臣は反論をすべきであったと考えるが、反論したのか否かを示されたい。
 もし反論したのであれば、誰が、いつ、どのような表現で反論したのか、具体的に示されたい。

四 反論したとすれば、なぜ、防衛大臣はこうしたやりとりを国会で言わなかったのか。この問題は重要ではないと国民に誤った印象を与えるために、あえて言及しなかったのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 防衛省ホームページの日米防衛相会談の概要(平成二十一年十月二十一日)は会談でのやりとりが比較的詳細に記述されているが、給油活動をめぐる「アメリカは受益国ではない」との発言のやりとりは記載されていない。なぜ、このような重要なやりとりをホームページの日米防衛相会談の概要にて公表しなかったのか、政府の見解を示されたい。

六 防衛省ホームページにおいては、日米防衛相会談の概要とともに、同会談および共同記者会見の写真が掲載されているが、共同記者会見のやりとりは掲載されていない。他方、米国防総省ホームページにおいては、共同記者会見のやりとりも日米防衛相会談の概要も公表されている。この共同記者会見のやりとりを防衛省ホームページで公表しない理由はなにか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。