質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五四号

鳩山政権下での三権分立のあり方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月二十五日

山谷 えり子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   鳩山政権下での三権分立のあり方に関する質問主意書

 三権分立は、国家権力の集中を避け、自由主義的政治体制を保障するための重要な原理であり、近代立憲国家にとって不可欠な制度であると考える。現行憲法においても、立法権についての第四十一条、行政権についての第六十五条、司法権についての第七十六条の規定から、三権分立の制度が明確に定められていると解釈できる。
 ところが、鳩山政権の閣僚の発言等を聴いていると、三権分立の原則をないがしろにするような発言が目立つ。
 そこで、次の事項について質問する。

一 菅直人副総理は、中央公論二〇〇九年十一月号で「憲法には三権分立の規定はない。現行憲法の大原則は『国民主権』とされているだけである」とインタビューに答えている。またテレビや、鳩山内閣メールマガジン(第三号、二〇〇九年十月二十二日付)でも同趣旨の発言をしている。政府としては、三権分立に関してどのような見解を持っているか示されたい。また、三権分立の現行憲法における位置づけ、菅副総理の発言についての政府の見解をそれぞれ明らかにされたい。

二 報道によると、民主党は、政府・与党の意思決定を一元化するため、議員立法の原則禁止を党所属の議員に通知したという。これは、国会議員の自由な立法活動を制限するものであり、憲法第四十一条の趣旨に反するものと思われるが、政府としてどう考えるか。この通知は、与党と政府は一体として、内閣に法案提出を一元化することを目的としたものであることから、政府としての見解を明らかにされたい。

三 原口一博総務相は十月二十三日の閣議後の記者会見で、「総務省顧問」の人選を発表した。しかし、その人選を見ると、発令を受けた九人中、選挙で落選した前・元衆議院議員が四人も入っていた。「総務省顧問」とは、どのような目的で置かれた役職なのか。加えて報酬の有無、選ばれた九人全員についての選出の理由をそれぞれ示されたい。また、直前の衆議院選挙で落選した前・元衆議院議員を行政府の顧問に選出することは、行政権の恣意的行使の疑いもあり問題であると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。