質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四六号

低炭素社会実現の基盤である環境配慮型産業への変革によって低炭素社会における環境と経済の両立の実現を図る政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月十九日

加藤 修一   


       参議院議長 江田 五月 殿



   低炭素社会実現の基盤である環境配慮型産業への変革によって低炭素社会における環境と経済の両立の実現を図る政策に関する質問主意書

 低炭素社会への劇的な変革に当たっては、低炭素社会実現の基盤である環境配慮型産業への変革こそが、低炭素社会における環境と経済の両立を実現させ、内需振興や地域活性化、国際競争力の強化に資するものであると確信する。
 環境省は「二十一世紀環境立国戦略」(平成十九年閣議決定)及び「グリーン産業革命」の速やかな実現のために、関係省庁と連携して電気自動車等(エコカー)の加速的普及に全力で取り組むことが不可欠である。
 そこで、以下質問する。

一 電気自動車等のグリーン購入の促進について

 環境配慮契約法に基づくグリーン購入促進のため、電気自動車等の国・地方自治体等の公的機関及び公益機関への積極的導入について、政府の見解を示されたい。

二 自己完結型の再生可能エネルギーの普及拡大について

 再生可能エネルギーとの連係による地産地消型エネルギーサイクルの構築は地域における低炭素社会への取り組みともなる。
 そこで、自己完結型の再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、公的施設や事業所等における再生可能エネルギーの蓄電による電力安定化(スマートグリッド)のための「蓄電設備」の設置や「急速充電設備」等のインフラに対する助成措置の導入策について、政府の見解を示されたい。

三 グリーン電力証書の積極的活用に向けた環境整備について

 風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギー由来の電力はグリーン電力と言われ、発電時のCO2の発生がきわめて少なく、再生可能であるため環境への負荷が著しく小さいエネルギーである。この電力は「電気の価値」と同時に、環境に負荷を与えない価値、即ち「環境上の付加価値」を持っており、電力と切り離してこれを売買の対象にし、「グリーン電力証書」という形で購入できる。例えば、この制度を利用した「風で織ったタオル」などの商品が現れている。グリーン電力証書については、企業のCSR活動にもなり企業価値も上がり、再生可能エネルギーの拡充が進展すると言われているが、現在の年間取引量はどの程度であるのか明らかにされたい。また今後拡充を図るためには政策上の支援措置が必要と考えられる。政府の見解を示されたい。

四 グリーン熱証書の積極的活用に向けた環境整備について

 東京都においては、再生可能エネルギー由来の熱、例えば太陽熱温水器の熱や木質バイオマスからの熱についても、グリーン電力と同様に環境付加価値を持つとするグリーン熱証書の売買を行い、CO2削減を目指している。これは、スタートしたばかりであるが、化石燃料の削減や日本のCO2二十五%削減という中期目標に貢献し得るものである。日本は、従来から言われているように熱政策への視点が非常に薄いが、今後グリーン熱証書の積極的活用策を講じ、拡充を図るべきである。政府の見解を示されたい。

五 地域や家庭などの充電及び蓄電設備等の設置に対する助成措置の創設について

 「低炭素のまちづくり」を推進するため、地域や家庭などにおける太陽光発電等の再生可能エネルギーの安定供給に資する、一般電力と連係した充電及び蓄電設備等の設置に関する助成措置の創設について、政府の見解を示されたい。

六 電気自動車等(エコカー)の普及加速化について

 電気自動車等(エコカー)の普及加速化を図るため、J-VER制度や国内クレジット制度とのリンクと拡充策について、政府の見解を示されたい。

七 電気自動車用電池等の生産施設への助成措置の導入について

 電気自動車等(エコカー)の価格低減と加速的普及を促すため、電気自動車用電池等の生産施設などへのグリーン優遇税制等の助成措置の導入について、政府の見解を示されたい。

八 E10以上に対応する次世代自動車等の調査研究について

 CO2排出量をより低減するバイオエタノールE10以上に対応する次世代自動車等の調査研究への取り組みについて、政府の見解を示されたい。

  右質問する。