質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四三号

日本教職員組合に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月十六日

山谷 えり子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日本教職員組合に関する質問主意書

 次の事項について質問する。

一 北海道教職員組合が発行している職場討議資料の「北教」(二〇〇八年十一月二十八日付)には、「『竹島・独島』問題をめぐって日韓の歴史認識の大きな違いを見せ付けられました」、「文科省が中学校歴史の解説書に『竹島(独島)の領有権』を明記したことは、韓国にとっては、侵略・植民地支配を日本が正当化する不当極まりないものになるのです。歴史的事実を冷静に紐解けば、韓国の主張が事実にのっとっていることが明らかだけに、事は極めて重大なのです」という記述が見られる。教職員の団体が竹島問題に関して「韓国の主張が事実にのっとっている」などという認識を示していることについて、政府としてどう考えるか。

二 北海道教職員組合が発行した「改悪学習指導要領をのりこえるために」には、道徳教育に反対していく姿勢がうたわれている。「文科省『道徳教育』は、内面の自由を侵害する」、「『徳目』は個々人の内面に深く関わることであり、人間の精神的自由の根幹をなす思想・信条・良心の自由を侵害するものです」、「『道徳の時間』(特設『道徳』)には反対です。しかし、強要された場合は、人権教育などを内容した(原文ママ)、これまで私たちがすすめてきた総合学習、自治的諸活動の実践をすすめます」などとしている。教職員の団体が、道徳教育を全否定し、しかも学習指導要領に反してまで自分たちの主張を貫くとの方針を示していることについて、政府としてはどのように考えるか。

三 二〇〇八年二月に大分県教職員組合が配布したパンフレット「『建国記念日』って何?」には、「『神武東征』などというものは史実とは全く無関係につくられたお話にしかすぎない。それをあたかも本当のように教え、天皇を崇拝し天皇のために命をすてるような国民をつくるためだったんだよ」、「もともとは『戦争・天皇制をたたえる日』」、「神話にもとづく『建国記念の日』は平和主義の日本にふさわしくありません」と記されており、建国記念の日(思想統制)系統表試案・中学一年生では「「建国記念の日」の成り立ちを知り、「紀元節」が戦前に果たしてきた役割のおかしさを国民主権の立場からとらえることができる」ことを目標に掲げている。教職員の団体が、建国記念日に対しこうした偏った見方をし、また子供たちにこうした偏った思想を教育しようとしていることについて、政府はどのような見解を持つか。

四 西宮市教職員組合は、「西教組ニュース」(二〇〇八年十二月四日付)の中で、「教頭は私たちの仲間から!」、「ここ数年は、教頭任用者のほとんどは組合推薦です」と記し、教頭推薦への取り組みを促している。教職員の団体がこのような活動をしていることについて、政府はどう考えるか。今後どのような対策を考えているか。

五 民主党の輿石東・参議院議員会長は、「教育の政治的中立はありえない」と発言したが、教育基本法、教育公務員特例法違反ではないか。

  右質問する。