質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一六号

日米同盟の包括的レビューに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十一月九日

浜田 昌良   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日米同盟の包括的レビューに関する質問主意書

 鳩山総理は、平成二十一年十月二十九日の参議院本会議代表質問に対する答弁で、明年の日米安保条約改定五十周年を節目として、「日米同盟の在り方全般について包括的レビュー」を行う旨を表明した。しかし、鳩山内閣によるインド洋補給支援からの撤退表明、普天間基地移転に関する閣僚の不統一な発言、日米地位協定の改定の提起やいわゆる在日米軍思いやり予算の見直しの方針等を受けて、米国政府高官からは「最もやっかいな国は日本」という発言があったとの報道があるように、日米間での緊張はかつてないほどに高まっている。このような状況で「日米同盟の在り方全般について包括的レビュー」を提起するのであれば、その具体的あり方を明示しなければ、一層、日米間の緊張関係は高まると懸念される。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 明年の日米安保条約改定五十周年を節目とした「日米同盟の在り方全般について包括的レビュー」とは、どのような項目について、どのようなスケジュールで行うのか。具体的に明らかにされたい。

二 本年十一月十三日から米国オバマ大統領が来日するとされているが、その際、鳩山内閣としてどのような形で、「日米同盟の在り方全般について包括的レビュー」を提案するのか。あるいは、本主意書の回答がオバマ大統領来日に伴う日米首脳会談後であれば、どのように提案したのか。また、それに対してオバマ大統領からどのような応答があったのか。沖縄県民をはじめ日米安全保障体制の将来に不安を感じている国民に対して理解がなされるよう、その詳細を明らかにされたい。

三 鳩山総理は、本年十月二十六日に行った所信表明演説で、「私は、日米の二国間関係はもとより、アジア太平洋地域の平和と繁栄、さらには、地球温暖化や「核のない世界」など、グローバルな課題の克服といった面でも、日本と米国が連携し、協力し合う、重層的な日米同盟を深化させてまいります。」と述べている。このような文脈で「日米同盟の在り方全般について包括的レビュー」を行うとすれば、普天間基地移転、日米地位協定やいわゆる思いやり予算といった二国間問題でいたずらに日米間の緊張を高めるのではなく、むしろ、核兵器の先制不使用論及び消極的安全保障と整合的な日米安全保障、つまり、通常兵器による我が国への攻撃は核兵器ではなく、通常兵器だけによる抑止力を期待するという日米安全保障体制を提案することにより、韓国、オーストラリア及びNATO諸国といった他の米国同盟諸国をはじめとする世界の核兵器廃絶への貢献の具体的かつ明確なあり方を示していくことこそ求められると考えられるが、鳩山内閣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。