質問主意書

第173回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

インド洋補給支援活動を延長しない理由に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年十月二十六日

浜田 昌良   


       参議院議長 江田 五月 殿



   インド洋補給支援活動を延長しない理由に関する質問主意書

 平成十三年の米国九・一一同時多発テロの後、我が国は国連安保理決議第一三六八号、第一三七三号等の要請を受け、インド洋において海上阻止活動に参加する各国艦船に給油・給水の支援をしているところであるが、根拠法の期限が切れる平成二十二年一月十五日以降の対応について、鳩山総理及び岡田外務大臣は「単純延長は行わない」、北澤防衛大臣は「法律の継続はしない」との発言を行っており、鳩山政権としての統一した見解が明らかになっていない状況である。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 鳩山総理及び岡田外務大臣の発言にある「単純延長」とは具体的にどのような意味か。逆に、どのような形であれば「単純延長」に当たらないと考えているのか。

二 防衛省のホームページによれば、海上阻止活動の成果として、平成二十年の麻薬押収量五十三トン以上(我が国における同年の全国薬物押収量の約六十五倍以上)とあるが、このような成果を政府として、どのように評価しているのか。

三 海上阻止活動を引き続き実施している国々は、どのような大義を持って実施していると政府は理解しているのか。

四 本年十月八日に全会一致で可決された国連安保理決議第一八九〇号で評価されている海上阻止活動を行っている外国艦船への補給支援活動から、我が国が撤退する本質的な理由を明らかにされたい。

五 我が国が補給支援活動を中止した場合には、海上阻止活動に参加している外国艦船に対する洋上給油等が十分にできず、給油のために寄港するなど、結果として海上阻止活動の効率が低減する等の影響が出ることは必至と思うが、政府はこの影響に関して、どのような認識を持っているのか。

六 特に、海上阻止活動に参加している唯一のイスラム国家であるパキスタン政府にとっては、我が国による補給支援活動の中止により財政的な負担増が予想されるが、政府はこの点に関して、どのような認識を持っているのか。予想されるパキスタン政府の負担増に対し、政府として何らかの代替案を検討する方針があるのか。

七 補給支援活動に伴う執行予算額は、平成十三年度から二十年度までの合計で六百九十億円(年度平均では約八十六億円)とされている。この金額は、同期間の人道復興支援額の約十七・九億ドル(年平均では約二百億円)という金額に比べ半額以下であり、このことから補給支援活動は、我が国自ら「汗を流す」支援であるだけではなく、いわゆる費用対効果からみても高い国際貢献と考えられるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。