質問主意書

第172回国会(特別会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一七二第四号
  平成二十一年十月一日
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員近藤正道君提出「原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員近藤正道君提出「原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」に関する質問に対する答弁書

一について

 原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第二条の規定は、我が国における原子力の研究、開発及び利用は平和の目的に限り行うとの基本方針を明らかにしており、我が国は、外国との間で原子力の平和的利用に関する協力を行う場合にも、当該基本方針を踏まえて行うこととしている。このため、我が国から原子炉等の原子力資機材等及びその関連技術の移転を行う場合には、これらの平和的利用について、二国間原子力協定等により相手国から保証を取り付けることとしている。また、平和的利用を確保するため、国際原子力機関(以下「IAEA」という。)による保障措置等の措置をとることを求めている。

二の1について

 本年五月十二日に署名された原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定(以下「日露原子力協定」という。)第三条の規定は、核物質、資材、設備及び技術の供給による協力に関し、ロシア政府又はその認められた者が受領者となる場合には、二千年三月二十二日に作成された追加議定書により補足された千九百八十五年二月二十一日に作成されたソヴィエト社会主義共和国連邦における保障措置の適用に関するソヴィエト社会主義共和国連邦と国際原子力機関との間の協定(以下「ロシアとIAEAとの間の保障措置協定」という。)に規定する保障措置の適用上IAEAが選択している一又は二以上の施設(以下「選択施設」という。)が存在することを協力の要件として定めている。政府としては、この要件が満たされない段階で、日露原子力協定を国会に提出し、その締結について承認を求める予定はない。

二の2について

 原子力の平和的利用の分野における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定(千九百九十一年四月十八日締結。以下「日ソ協定」という。)は、原子力発電所の活動における安全性等の分野における情報の交換等の方法で行う協力について定めたものである。我が国からロシアに対して原子炉等の原子力資機材等及びその関連技術の移転を行うためには、平和的利用についてロシア政府から法的な保証を取り付ける必要があり、日露原子力協定は、その法的な枠組みとして作成されたものである。したがって、原子炉等の原子力資機材等及びその関連技術の移転に係る協力は、日露原子力協定が発効するまで実施されない。

二の3について

 政府としては、日露原子力協定の締結について国会の承認を求めるために、日露原子力協定を国会に提出する際には、二の1についてでお答えした方針によることとしており、日露原子力協定附属書BのA部に選択施設を掲げた上で提出する予定である。なお、日露原子力協定の署名に際し、日露原子力協定第五条の実施に関する交換公文が作成されている。日露原子力協定を国会に提出する際には、参考として、同交換公文を併せて国会に提出する予定である。

三の1の(一)について

 日露原子力協定第五条の規定は、日露原子力協定に基づいて移転された核物質等を平和的非爆発目的のみに利用する義務の履行を確保するため、IAEAの保障措置の適用等について定めている。核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号)の適用上、締約国である核兵器国については、IAEAの保障措置の受諾を義務付けられていない。また、ロシアにおいては、他の核兵器国と同様に、IAEAの保障措置の適用上適格性を有する施設(以下「適格施設」という。)のすべてにおいて保障措置が適用されているわけではない。これらの事情を勘案し、日露原子力協定第五条(2)の規定は、日露原子力協定に基づいて移転された核物質等を、ロシアにおいては、原則として選択施設に置くものとしつつ、これらの核物質等にIAEAの保障措置が適用されない場合にも平和的利用を適切に担保するため、補助的措置の適用を条件として、選択施設ではない適格施設に置くことができることとしている。政府としては、補助的措置の適用を条件とすることは、国際的な慣行と比較しても厳格な対応であると認識している。

三の1の(二)について

 日露原子力協定に基づいて移転された核物質等は、日露原子力協定第五条及び同条の実施に関する交換公文3に規定する補助的措置が適用されることを条件として、選択施設ではない適格施設に置くことが可能である。

三の2の(一)について

 御指摘の「書面」については、交換公文や口上書の交換といった形式を想定している。

三の2の(二)について

 御指摘の「書面」は多岐にわたるため一概にお答えすることは困難であるが、日露原子力協定第二条2(6)に規定する「書面による取極」については、国会の承認を得る必要はなく、閣議決定によることになる。

三の2の(三)について

 ウラン濃縮役務に係る協力は、日露原子力協定第二条2(2)に規定する軽水炉の設計、建設及び運転の分野における協力であり、かかる役務の提供については同条1(4)に規定していることから、書面による取極によらず実施し得るものである。

四の1の(一)について

 ロシアにおける適格施設については、ロシア政府が公表していないため、お答えすることは差し控えたい。

四の1の(二)について

 御指摘の施設は、今後、日露原子力協定附属書BのA部に記載されることとなる。ロシア政府は、日露原子力協定第五条の実施に関する交換公文3(1)の規定に従って我が国政府に選択施設等の一覧表を毎年提供することとなるため、これに基づき必要に応じ、日露原子力協定第十七条の規定に従って同附属書BのA部を改正する予定である。

四の1の(三)について

 御指摘のとおり、我が国から移転される核物質(第三国を経由して移転された核物質を含む。)及び技術を置くことができる施設は、日露原子力協定附属書Bに記載された選択施設と適格施設のみである。

四の1の(四)について

 御指摘のとおり、日露原子力協定に基づき核物質等の移転が行われるのは、日露原子力協定附属書BのA部に施設が記載され、日露原子力協定が発効した後である。

四の1の(五)について

 日露原子力協定第五条の規定は、日露原子力協定に基づいて移転された核物質等を平和的非爆発目的のみに利用する義務の履行を確保するため、IAEAの保障措置の適用等について定めている。核兵器の不拡散に関する条約の適用上、締約国である核兵器国については、IAEAの保障措置の受諾を義務付けられていない。また、ロシアにおいては、他の核兵器国と同様に、適格施設のすべてにおいて保障措置が適用されているわけではない。これらの事情を勘案し、日露原子力協定第五条(2)の規定は、日露原子力協定に基づいて移転された核物質等を、ロシアにおいては、原則として選択施設に置くものとしつつ、これらの核物質等にIAEAの保障措置が適用されない場合にも平和的利用を適切に担保するため、補助的措置の適用を条件として、選択施設ではない適格施設に置くことができることとしている。
 日露原子力協定第五条及び同条の実施に関する交換公文3に規定する補助的措置の適用を条件とすることは、国際的な慣行と比較しても厳格な対応であると認識しており、また、第五条を始め日露原子力協定の関連規定の遵守が確保されない場合には、我が国は、日露原子力協定第十五条1の規定に基づき、日露原子力協定を終了させる等の権利を有することとなる。
 したがって、日露原子力協定は、平和的利用が確保される仕組みとなっているものと考える。

四の2の(一)について

 適格施設に置かれている核物質の代替とは、同量の核物質であって核分裂性同位元素の含有量が同等以上のものを選択施設に置くことにより、適格施設に置かれている核物質と同量同等以上の核物質にIAEAの保障措置が適用されることを意味する。
 御指摘の事例において、我が国に製品として輸入される核物質が日露原子力協定に基づいて移転された核物質等に由来するものである場合には、これらの核物質は、ロシアにおいて、選択施設又は適格施設のいずれかにおいて作業が行われたものということとなる。

四の2の(二)について

 日露原子力協定第五条の実施に関する交換公文3(2)に規定する代替を含め、同交換公文3に規定する補助的措置に係る両締約国政府による了解が適切に実施されることが必要であると考えている。

四の3の(一)について

 現在、ロシア政府の管理の下で行われるすべての非軍事的原子力活動に係るすべての核物質についてIAEAの保障措置が適用されているわけではないと承知している。

四の3の(二)について

 御指摘の各国との原子力協定については、協定の締結後長期間にわたる運用が行われていることから、その間に実施された代替を含む補助的措置の実施について網羅的にお答えすることは困難であるが、主な例としては次のものが挙げられる。
 米国との間では、我が国の大学の研究用原子炉で使用された使用済燃料を米国の施設に返送した際に、フランスとの間では、我が国の原子力発電所で使用された使用済燃料をフランスで再処理して抽出した核物質を我が国の原子力発電所で使用する燃料用に加工する目的でフランスの燃料加工工場に移転した際に、英国との間では、我が国の原子力発電所で使用する目的で英国から我が国に移転された燃料を英国の施設に返送した際に、また、中国との間では、我が国の原子力資機材を中国の施設に移転した際に、それぞれ、補助的措置を実施することとした。
 これらに係る補助的措置の内容は、いずれも、我が国と米国、フランス、英国及び中国との間の協定及びこれらの協定に係る合意された議事録又は交換公文において定められており、口上書の交換や在庫目録の提出により確認することになっている。

四の4について

 我が国としては、ロシアとの間で原子炉等の原子力資機材等及びその関連技術の移転を伴う協力を実施する場合には、ロシア政府がIAEAの保障措置の適用を受諾していることが必要であると考えており、ロシア政府がIAEAの保障措置の適用を拒否する場合を想定するような是正措置に係る規定を設けることは不適切と考えている。ロシア政府がロシアとIAEAとの間の保障措置協定を終了させ、又はこれに対する重大な違反を行う等により、IAEAの保障措置が適用されなくなる場合には、我が国としては、日露原子力協定第十五条1の規定に基づき、その後の協力を停止し、又は、日露原子力協定を終了させ、及び日露原子力協定に基づいて移転された核物質等の返還を要求する権利を有することとなる。

五の1について

 日露原子力協定第八条の規定は、日露原子力協定に基づいて移転された核物質等は、供給締約国政府の書面による事前の同意が得られる場合を除くほか、受領締約国政府の国の管轄の外に移転され、又は再移転されないとしており、御指摘のような移転をロシアが我が国の同意を得ずして行うことは日露原子力協定上想定されてない。また、三の1の(一)についてで述べたとおり、核物質等が適格施設に置かれる場合にも、日露原子力協定第五条の実施に関する交換公文1に規定する在庫目録に記載されることから、我が国としては、これらの核物質等がロシアの管轄の下で管理されていることを確認することが可能である。在庫目録の内容については、同交換公文3(4)の規定に基づき、我が国の要請によって協議を行うことが可能であり、第五条や第八条を始め日露原子力協定の関連規定の遵守が確保されない場合には、我が国は、日露原子力協定第十五条1の規定に基づき、日露原子力協定を終了させる等の権利を有することとなる。

五の2について

 五の1についてで述べたとおり、日露原子力協定第八条の規定により、日露原子力協定に基づいて移転された核物質等は、供給締約国政府の書面による事前の同意が得られる場合を除くほか、受領締約国政府の国の管轄の外に移転され、又は再移転されないとしている。我が国としては、他の主要な原子力先進国と同様に、直接であると第三国を経由してであるとを問わず、核物質等の移転を行うためには、移転先国との間で二国間原子力協定を締結して平和的非爆発的利用等について保証を取り付けることが必要との考えであるところ、我が国から移転された核物質等がロシアから第三国に再移転されることが検討される場合には、我が国と当該第三国との間の二国間原子力協定の有無も考慮した上で、供給締約国政府として事前に同意するか否かを決定することとなる。いずれにせよ、日露原子力協定の運用に際しては、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定(平成十八年条約第十四号。以下「日ユーラトム原子力協定」という。)第九条及び附属書Bに規定するような諸条件が満たされることなく核物質等の再移転が行われることに同意することは考えていない。

六の1について

 現在、英国及びフランスに保管されている回収ウランは、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(昭和六十三年条約第五号。以下「日米原子力協定」という。)及び原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とオーストラリア政府との間の協定(昭和五十七年条約第十三号。以下「日豪原子力協定」という。)の下においては、受領国政府の領域的管轄の外に移転されていることから、日米原子力協定第二条4(a)及び日豪原子力協定第二条4の規定に従い、これらの協定の適用対象ではなくなっている。したがって、ロシア管轄内の施設に再移転される際、日米原子力協定及び日豪原子力協定に基づき米国政府及びオーストラリア政府の事前の同意が必要とされることはない。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書(昭和五十五年条約第二十六号)によって改正された原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定(昭和三十五年条約第八号)(以下「日加原子力協定」という。)についても、日加原子力協定の適用対象である核物質等が日加原子力協定の下において受領国政府の領域的管轄の外に移転された場合においては、当該核物質等は、日米原子力協定及び日豪原子力協定の場合と同様に、日加原子力協定の適用対象ではなくなるものと解釈され、日加両政府間でそのように運用されている。したがって、当該回収ウランがロシア管轄内の施設に再移転される際、日加原子力協定に基づきカナダ政府の事前の同意が必要とされることはない。
 日ユーラトム原子力協定第九条1の規定は、日ユーラトム原子力協定に基づいて移転された核物質等は、日ユーラトム原子力協定附属書Bに定める条件が満たされることについての保証を受領締約者が適切な方法によって得る場合には再移転することができる、ただし、このような保証が得られない場合には、供給締約者の書面による事前の同意が必要となる旨を定めているため、当該回収ウランをロシア管轄内の施設に再移転するに当たり、ロシア政府から当該条件を満たす保証を受領締約者たるユーラトムが取り付けることができる場合には、供給締約者たる我が国政府の事前の同意は必要とされない。

六の2について

 現在、英国及びフランスに保管されている回収ウランは、我が国の領域的管轄の外に移転された時点で、日米原子力協定第二条4(a)の規定に従い、日米原子力協定の適用対象ではなくなっていることから、当該回収ウランをロシア管轄内の施設で再濃縮することについて、我が国と米国との間で新たな合意が必要とされることはない。

六の3について

 御質問の趣旨が必ずしも明らかではないが、回収ウランの再移転に対し、我が国がユーラトム、英国又はフランスに対し事前に同意したとの事実はない。

六の4について

 日ユーラトム原子力協定第九条1の規定は、日ユーラトム原子力協定に基づいて移転された核物質等は、日ユーラトム原子力協定附属書Bに定める条件が満たされることについての保証を受領締約者が適切な方法によって得る場合には再移転することができる、ただし、このような保証が得られない場合には、供給締約者の書面による事前の同意が必要となる旨を定めている。したがって、供給締約者たる我が国の書面による事前の同意があれば、御指摘の回収ウランをロシア内の適格施設に移転することは可能である。

七の1について

 転換、燃料加工、濃縮又は再処理の工程において、特定の核物質と他の核物質とを混合することは、国際的に広く行われている慣行である。混合された核物質については、どの部分が我が国から移転された核物質で、どの部分が我が国以外の国から移転された核物質であるかを特定することは不可能である。日露原子力協定第十一条2に規定する「代替可能性の原則及び構成比率による比例の原則」は、混合される前の比率と同じ比率で混合後の核物質を我が国と他国との間で配分し、管理することによって我が国から移転された核物質を特定するためのものであり、このようにして特定された核物質は、日露原子力協定第五条の実施に関する交換公文1に規定する在庫目録に記載され、管理されることになる。この結果、当該特定された核物質については、日露原子力協定第四条の規定により、いかなる軍事的目的にも使用されず、また、日露原子力協定第八条の規定により、我が国政府の書面による事前の同意が得られる場合を除くほか、ロシアの管轄外に移転されないことが確保されることとなる。

七の2について

 混合された核物質について「代替可能性の原則及び構成比率による比例の原則」によって対応することは、我が国が当事国でない二国間原子力協定においても広く認められている規定である。政府としては、「代替可能性の原則及び構成比率による比例の原則」に基づき特定された核物質について、七の1についてで述べたような管理が行われる場合には、そのような管理は、外国との間で原子力の平和的利用に関する協力を行う場合に原子力基本法の基本方針を踏まえるとの一についてで述べた考えに合致したものであると考えている。したがって、御指摘のような条項が必要であるとは考えていない。

八の1について

 お尋ねの事項のうち、核原料物質及び核燃料物質の輸出並びに原子力技術の国外流出に係る契約の締結等については、原子力基本法制定時において、それぞれ別の法律で定める旨が規定されている。また、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)の制定時においては、核燃料物質の輸出入について、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)等によって規制することが想定されていた。

八の2について

 我が国は、原子炉等の原子力資機材等を輸出するに当たっては、二国間原子力協定を締結することにより、平和的利用等に関し、輸出先国より保証を取り付け、また、二国間原子力協定の作成に際しては、輸出先国において、御指摘のいわゆる「3S」が確保されることも考慮して行うことを通じて必要な対応をしてきていると考えている。

八の3について

 原子炉等の原子力資機材等の輸出入に必要な届出、申請、許認可等については、外国為替及び外国貿易法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づき必要な手続がとられている。御指摘のいわゆる「3S」については、輸出先国との二国間原子力協定を考慮し、国内法令上の必要な手続がとられている。

八の4について

 我が国事業者が海外の事業者から濃縮ウランを購入することについては、我が国政府の許認可の取得は必要とされていない。

八の5について

 日ソ協定第一条(e)に規定する「両政府が合意するその他の分野」として、御指摘の濃縮ウランの供給について合意した事実はない。我が国は、ある供給国が核物質、資機材又は技術を移転する際の、移転先国における平和的利用等の確保のための措置については、一義的には当該供給国が判断すべきものであると考えており、我が国も参加している原子力供給国グループのガイドラインでもこのような考え方が示されているところ、我が国事業者による濃縮ウランの購入については、これまで、濃縮ウランの供給国たるロシア政府から、我が国との間でこのような措置が必要との考えが示されたことはない。

八の6について

 我が国からロシアに核物質を移転した実績はなく、我が国からロシアに移転された核物質の濃縮により劣化ウランが生じることはない。我が国以外からロシアに移転された核物質の濃縮により生じ得る劣化ウランについては、我が国政府による国際約束上の措置の対象ではなく、また、国内法令上も許認可の対象ではないので、我が国政府として承知する立場にない。したがって、お尋ねの保障措置との関係及び譲渡の有無についても承知していない。

八の7について

 お尋ねの我が国事業者による原料ウランの購入について、二国間原子力協定の締結を必要とするかどうかについては、八の5についてで述べた考え方に照らし、一義的には供給国による判断にゆだねられるべきものである。

八の8について

 長期契約とスポット契約の間で御指摘のように相違があるということはない。

八の9について

 お尋ねの濃縮ウランの長期供給契約の場合を含め、我が国から核物質、資機材又は技術の移転がない場合には、二国間原子力協定の締結を必要とするかどうかについては、八の5についてで述べた考え方に照らし、一義的には供給国による判断にゆだねられるべきものである。

八の10について

 我が国事業者が海外の事業者と濃縮ウランの供給を契約することについては、我が国政府に対し許認可のために申請と届出を行うことは必要とされていない。