質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四八号

内閣参質一七一第二四八号
  平成二十一年七月二十四日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員川田龍平君提出イレッサ問題と市販直後調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出イレッサ問題と市販直後調査に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘のイレッサに係る市販直後調査実施計画書においては、当該市販直後調査は、イレッサの販売開始直後に、医療機関に対し確実な情報提供、注意喚起等を行い、適正使用に関する理解を促すとともに、特に重篤な副作用及び感染症の情報を迅速に収集し、必要な安全対策を実施することにより、副作用等の被害を最小限にすることを主な目的とする旨が記載されていたが、同計画書は、「医療用医薬品の市販直後調査等の実施方法に関するガイドライン」(平成十二年十二月二十七日付け医薬安第一六六号・医薬審第一八一〇号厚生省医薬安全局安全対策課長・審査管理課長通知別添)を踏まえ、適切に作成されたものであると認識している。

二の1について

 市販直後調査は、医療機関に対し確実な情報提供、注意喚起等を行い、適正使用に関する理解を促すとともに、特に重篤な副作用及び感染症の情報を迅速に収集し、必要な安全対策を実施することにより、副作用等の被害を最小限にすることを主な目的とするものであり、副作用の発現頻度自体を把握することを目的としたものではない。

二の2について

 御指摘のイレッサに係る市販直後調査実施報告書においては、調査対象医療機関は、病院が約千八百八十施設、診療所が約五百四十施設とされている。また、推定患者数は約二万二千人とされているが、これは、平成十四年七月十六日から平成十五年一月十五日までの間の販売数量を基に算出したものであるとされている。
 また、イレッサの製造販売会社であるアストラゼネカ株式会社の安全対策に対する取組としては、使用上の注意の改訂が三回行われ、このうち一回については、併せて緊急安全性情報の配布が行われたが、これは、ゲフィチニブ安全性問題検討会等で出された専門家の意見に基づいて行われたものであり、妥当なものであったと認識している。

二の3について

 お尋ねの推定使用患者数については、アストラゼネカ株式会社の計算に誤りがあったことから修正したものであり、修正後の四万二千人が実態に即した推定値である。

三の1及び2について

 厚生労働省としては、アストラゼネカ株式会社による副作用報告の実施状況からみて市販後安全対策業務に係る社内の体制及び取組が不適切であった可能性があったことから、平成十四年十月二十八日、大阪府に対して同社に対する調査を依頼した。これを受けて、大阪府が、翌日、立入調査を実施し、厚生労働省は、大阪府からの調査報告を同年十一月五日に受領した。同報告では、同社における安全対策については薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)や薬事法施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)等に基づいて行われていたとされている。
 また、イレッサについては、同立入調査後、ゲフィチニブ検討会等において、最新のデータ等を基に有効性及び安全性に係る検討がなされたが、その検討の過程では、販売を中止すべきとの意見はなかった。