質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第二三二号

内閣参質一七一第二三二号
  平成二十一年七月二十一日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出酪農経営の健全化等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出酪農経営の健全化等に関する再質問に対する答弁書

一について

 先の答弁書(平成二十一年六月十九日内閣参質一七一第二〇五号)一から四までについてでお答えしたとおり、生産者団体が、その総会において、定款で定める事業の実施に必要な金銭を構成員たる個々の生産者から徴収することについて諮り、議決された場合には、その議決されたところに従って構成員たる個々の生産者から当該金銭の支払を求めることは可能であると考えており、御指摘の「個々の生産者の承諾もないのに徴収すること」が違法であるか合法であるかについては、個々の状況により判断されるべきものと考えている。

二及び三について

 御指摘の「書面による承諾」が不要か否かについては、個々の状況によるものと考えているが、先の答弁書(平成二十一年六月十九日内閣参質一七一第二〇五号)一から四までについてでお答えしたとおり、農林水産省においては、生乳の受託販売契約は、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(昭和四十年法律第百十二号。以下「法」という。)第五条に規定する指定生乳生産者団体(以下「指定団体」という。)とその会員(以下「指定団体会員」という。)との間、指定団体会員とその会員(以下「会員農協等」という。)との間、さらに会員農協等とその組合員たる生産者との間といったように、順次締結されるものであることを踏まえ、指定団体等がこのような金銭の徴収を「乳代から控除するという方法」により会員から行う場合には、生産者にその内容等の周知を図るよう、指定団体を通じて指導しているところである。
 具体的には、「指定生乳生産者団体の受託規程について」(平成十三年二月二十八日付け十二生畜第八四七号農林水産省生産局長通知)別紙の模範受託規程例第六条第四項及び別記一の生乳受託契約例第三条において、生乳取引の公正及び安定を図るための措置を講ずるために必要な経費等を、委託者ごとに支払う生乳の対価から控除する場合には、受託規程や生乳受託契約にその旨規定することを、望ましい例として示しているところである。
 また、更なる周知徹底を図るための措置について、平成二十一年中の実施に向けて検討を進めているところである。

四について

 二及び三についてでお答えしたとおり、農林水産省としては、指定団体を通じて指導しているところである。

五について

 お尋ねの指定団体の名称及び平成二十年度の総受託乳量については、ホクレン農業協同組合連合会が約三百七十九万千トン及び北陸酪農業協同組合連合会が約十一万九千トンと承知している。なお、お尋ねの生産者団体の名称、規模等については、これらを公にすれば、当該生産者団体の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあること等から、お答えすることは差し控えたい。

六について

 法第十条第二項第三号に掲げる構成員以外の者の利用(以下「員外利用」という。)を拒むことが認められる「正当な理由」については、個々の状況に応じて判断されるべきものであるが、例えば、員外利用を認めると農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第十七項に掲げる員外利用の割合を超えることとなる場合、過去において指定団体の事業の関係で不信行為を行った者で、現在もそのおそれがあるものが員外利用を行う場合及び指定団体を除名された者がその除名の理由となった原因事実が解消していないのに員外利用を行う場合が考えられる。