質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一九号

内閣参質一七一第二一九号
  平成二十一年七月六日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員辻泰弘君提出自治体病院の経営に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員辻泰弘君提出自治体病院の経営に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては把握していない。

二について

 お尋ねについては、例えば、平成二十年四月の診療報酬改定の場合には、平成二十年三月から平成二十一年二月までの間の国民医療費の推計値である約三十五兆円に、一パーセントを乗ずることにより、機械的に計算すれば、年間約三千五百億円の財源が必要であったこととなる。

三について

 診断群分類に基づき診療報酬を算定する保険医療機関の医療機関別係数は、診療報酬改定前の一定期間に当該保険医療機関に支払われた診療報酬(改定後において診断群分類に基づき算定すべき医療行為(以下「包括評価医療行為」という。)に係るものに限る。)に、診療報酬改定率に一を加えた数値を乗じて得た額を、改定後の診療報酬(当該一定期間に当該保険医療機関において行われた包括評価医療行為について、改定後の診断群分類に基づき算定した場合の診療報酬の推計額をいう。)により除して得た数値である。

四について

 お尋ねの医科診療報酬、歯科診療報酬及び調剤報酬の改定率は、医科、歯科及び調剤のそれぞれの診療報酬から薬価改定の影響を受ける薬剤費を控除した上で、当該控除後のそれぞれの診療報酬の比率等を勘案して、診療報酬改定による診療報酬全体の増減額を、医科、歯科及び調剤ごとに振り分け、その額を改定率に換算したものである。
 薬価改定における医療費ベースでの改定率とは、診療報酬総額の増減率のことであり、また、薬価ベースでの改定率とは、薬価の引上げ又は引下げによる当該診療報酬総額中の薬剤費の増減率のことである。

五について

 厚生労働省としては、社会保障審議会医療部会及び医療保険部会において策定する診療報酬改定に係る基本方針に基づくとともに、中央社会保険医療協議会の答申を踏まえ、予算編成の際に決定した診療報酬改定率の範囲内において、入院基本料を始めとする診療報酬点数の改定を行っているものである。

六について

 自治体病院については、救急医療、高度医療、へき地医療等、採算性確保の上で難しい医療を担っていることに加え、近年においては診療報酬の改定、患者数の減少等に起因して収入が減少していることやこれに対応した経営改善努力が取組の途上にあること等の要因により、その多くが厳しい経営状況にあると認識している。
 このため、各地方公共団体に対し、経営の効率化や経営形態の見直し等の自治体病院の経営改革に総合的に取り組むよう要請するとともに、各般の医師確保対策の推進や平成二十一年度第一次補正予算による地域医療再生基金の創設等の措置を講じているほか、今後、自治体病院に係る地方財政措置の大幅な拡充を図ることとしている。

七について

 厚生労働省としては、「経済財政改革の基本方針二〇〇九」(平成二十一年六月二十三日閣議決定)において、「「選択と集中」の考え方に基づき、診療報酬の配分の見直しを行うとともに、救急、産科等の体制強化などの方策を検討する」こととされていること等を踏まえつつ、医療を取り巻く諸課題に対応するため、次期診療報酬改定を行うこととしている。