第171回国会(常会)
答弁書第二一二号 内閣参質一七一第二一二号 平成二十一年六月三十日 内閣総理大臣 麻生 太郎
参議院議長 江田 五月 殿 参議院議員大河原雅子君提出八ッ場ダムの発電用導水路等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員大河原雅子君提出八ッ場ダムの発電用導水路等に関する質問に対する答弁書 一の1の(一)について 御指摘の「完成予定」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、大滝ダムの試験湛水を開始した時点における大滝ダム建設事業の完成予定年度は平成十四年度であり、現時点においては平成二十四年度である。また、滝沢ダムの試験湛水を開始した時点における滝沢ダム建設事業の完成予定年度は平成十九年度であり、現時点においては平成二十二年度である。なお、滝沢ダムについては、独立行政法人水資源機構に対する水資源開発事業交付金において滝沢ダムの管理業務に係る予算を平成二十年度から計上しており、同機構において施設の操作、維持、修繕その他の管理を実施していると聞いている。 一の1の(二)について 大滝ダムの試験湛水を開始した時点において見込んでいた大滝ダム建設事業の全体事業費は約三千二百十億円であり、現時点においては御指摘の「約三百八億円」を含む約三千六百四十億円である。また、滝沢ダム建設事業の全体事業費は滝沢ダムの試験湛水を開始した時点から変更していない。 一の2の(一)について 御指摘の「付替国道」は、平成二十二年度末までに工事の完了を予定しており、用地買収及び工事を順次進めているためである。 一の2の(二)について 御指摘の「八ッ場ダム事業の水没予定地」に居住している世帯数は、国土交通省が把握している限り、平成二十年度末現在、川原畑地区で十八世帯、川原湯地区で五十五世帯、林地区で一世帯、横壁地区で五世帯、長野原地区で四世帯である。 一の2の(三)について 八ッ場ダム建設事業による移転の対象であり、かつ、御指摘の「八ッ場ダム事業の水没予定地以外の移転予定地」に居住している世帯数は、国土交通省が把握している限り、平成二十年度末現在、川原畑地区で零世帯、川原湯地区で零世帯、林地区で八世帯、横壁地区で二世帯、長野原地区で十五世帯、群馬県吾妻郡東吾妻町で五世帯である。 一の3について 前回答弁書(平成二十一年六月九日内閣参質一七一第一八六号)四の1についてでお答えしたとおり、国土交通省としては、都道府県による受益者負担金の徴収状況について把握しておらず、御指摘の「都道府県が条例を定めて特定多目的ダムの建設費の一部をかんがい用水の受益者に負担させることを行っていない場合」が具体的にどのような状況であるのかについても把握していないため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 二について 御指摘の「八ッ場ダムの発電用導水路」については、その建設が行われるか否かも含めて詳細が決まっていないこと等から、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにしても、渇水時にも安定的に一級河川利根川水系吾妻川に維持流量を確保するため、八ッ場ダムの直下流において毎秒二・四立方メートルの流量を確保する予定としている。 三の1について 国有資産等所在市町村交付金法(昭和三十一年法律第八十二号)第二条第一項及び第十二条の規定により、国土交通大臣が国有資産等所在市町村交付金(以下「市町村交付金」という。)を交付することとなる。 三の2について 八ッ場ダムに係る市町村交付金は、群馬県吾妻郡長野原町に交付することとなる。 三の3から5までについて 御指摘の「市町村交付金の基準額」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、八ッ場ダムに係る国有資産等所在市町村交付金法第三条第二項に規定する交付金算定標準額は、同法等の規定に基づき、八ッ場ダムの用に供する土地の取得に要した費用の額等を用いて固定資産の価格を算定して求め、市町村交付金として交付すべき金額は、同法第三条第一項の規定に基づき、当該交付金算定標準額に百分の一・四を乗じて得た額となるが、これらの具体的な金額については、現時点では確定していない。 三の6について 各地方公共団体に対して交付すべき普通交付税の額は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十条第二項の規定により、当該地方公共団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える額とされており、市町村交付金が交付される地方公共団体については、同法第十四条第一項及び第二項の規定により、国有資産等所在市町村交付金法第三条第一項に規定する率の百分の七十五に相当する基準率をもって算定した市町村交付金の収入見込額を基準財政収入額に算入するものとされている。また、市町村交付金の交付は、当該地方公共団体の基準財政需要額の算定には影響しない。 |