質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第二〇一号

内閣参質一七一第二〇一号
  平成二十一年六月十九日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員前田武志君提出土地改良事業における公共工事の品質確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員前田武志君提出土地改良事業における公共工事の品質確保に関する質問に対する答弁書

一について

 公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成十七年法律第十八号。以下「品確法」という。)第十五条第一項及び第二項の「発注関係事務の全部又は一部を行うことができる者」は、公益法人に限られない。

二について

 お尋ねの「発注関係事務者が、価格その他の発注に関する条件を漏えいした場合」に、いかなる処罰が科されるかは、個別の事案ごとに判断されるべきであり、一概にお答えすることはできない。

三について

 御指摘の表現は、「農業農村整備事業工事等の今後の取組方針について」(平成十七年十二月七日付け十七農振第千四百十三号農林水産省農村振興局整備部長通知。以下「部長通知」という。)Ⅱの8の(2)に記載しているものを指しているものと思われるが、この記載は、品確法第八条第一項に基づき策定された「公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針について」(平成十七年八月二十六日閣議決定)第2の8の(2)において、「発注関係事務の全部又は一部を行うことができる者の選定に当たっては、当面、公共工事を発注する地方公共団体等に対して設計、積算、工事管理等の支援を行う公益法人等をその対象として活用しつつ、民間企業等についても、技術的能力及び公正性を確保することで選定の対象となることができるよう必要な環境整備に努める」と記載されていることを受けて定めたものであり、また、部長通知Ⅱの8の(2)の中で都道府県土地改良事業団体連合会を例示しているのは、同連合会が、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第百十一条の二の規定に基づき土地改良事業の適切かつ効率的な運営を確保し、及びその共同の利益を増進することを目的に設立され、同法第百十一条の九第一号の規定に基づき土地改良事業に関する技術的な指導その他の援助を行うことをその事業の一つとしている法人であるため、適切な例示であると考えたためである。発注関係事務について同法人以外の公益法人等の活用も可能であることから、このような例示については、特段の問題はないものと認識している。

四について

 御指摘の「農業農村整備事業発注者支援機関」は、各地方農政局に設置された「農業農村整備事業に係る公共工事の品質確保に関する協議会」が「発注関係事務を公正に行うことができる条件を備えた者として認定した者」であり、御指摘の「発注関係事務者」と必ずしも同義ではない。

五について

 御指摘の「農業農村整備事業工事の品質確保技術者制度」は、品確法第十五条第三項の趣旨を踏まえ、各地方農政局(農林水産省関東農政局を除く。以下同じ。)においてそれぞれ実施しているものであり、農業農村整備事業工事の品質確保技術者(以下「技術者」という。)は、各地方農政局が発注する農業農村整備事業工事の品質確保の促進を図るため、総合評価落札方式に関する技術提案の審査及び支援を行うほか、農業農村整備事業工事品質確保技術者研修等の講師を務めているところである。また、平成二十一年六月十五日現在の技術者の人数は百七十一名である。
 さらに、「農業農村整備事業工事品質確保技術者申請書審査及び試験」及び「農業農村整備事業工事品質確保技術者研修」の事務を行っている組織の名称とその主たる事務所の所在地は、それぞれ次のとおりである。
 農林水産省東北農政局整備部設計課 宮城県仙台市青葉区本町三丁目三番一号
 農林水産省東北農政局土地改良技術事務所 宮城県仙台市宮城野区幸町三丁目十四番一号
 農林水産省北陸農政局整備部設計課 石川県金沢市広坂二丁目二番六十号
 農林水産省北陸農政局土地改良技術事務所 石川県金沢市新神田四丁目三番十号
 農林水産省東海農政局整備部設計課 愛知県名古屋市中区三の丸一丁目二番二号
 農林水産省東海農政局土地改良技術事務所 愛知県名古屋市中区三の丸一丁目二番二号
 農林水産省近畿農政局整備部設計課 京都府京都市上京区西洞院通り下長者町下ル丁子風呂町
 農林水産省近畿農政局土地改良技術事務所 京都府京都市伏見区深草大亀谷大山町官有地
 農林水産省中国四国農政局整備部設計課 岡山県岡山市北区下石井一丁目四番一号
 農林水産省中国四国農政局土地改良技術事務所 岡山県岡山市北区桑田町一番三十六号
 農林水産省九州農政局整備部設計課 熊本県熊本市二の丸一番二号
 農林水産省九州農政局土地改良技術事務所 熊本県熊本市東町四丁目五番七号
 御指摘の「農業農村整備に関する学会、継続教育機構」については、特定の団体を想定しているものではない。なお、平成二十一年六月十五日時点においては、すべての技術者は、社団法人農業農村工学会又は同学会の技術者継続教育機構に加入しており、社団法人農業農村工学会の所在地は東京都港区新橋五丁目三十四番四号であり、同学会の技術者継続教育機構の所在地は東京都港区新橋五丁目三十四番四号である。すべての技術者が社団法人農業農村工学会又は同学会の技術者継続教育機構に属している理由については承知していないが、農業農村整備事業工事の品質確保技術者制度は、社団法人農業農村工学会及び同学会の技術者継続教育機構以外の学会や技術者の継続的な教育のための機関等の加入者が技術者となることを排除しているものではない。