質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九五号

内閣参質一七一第一九五号
  平成二十一年六月十二日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出ポスト京都議定書の新たな枠組みに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出ポスト京都議定書の新たな枠組みに関する質問に対する答弁書

一について

 二酸化炭素の排出量を削減するためには、産業部門、民生部門、運輸部門、エネルギー転換部門等我が国全体でエネルギーの利用の効率化等を推進する必要があるが、事業者がエネルギーの消費を抑制するための措置を自ら行う際の費用は、原則として当該事業者が負担すべきものと考えている。一方、地球温暖化防止のための温室効果ガスの排出抑制や、内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保等の観点から、政府の政策として、必要に応じて支援を行うべきであると考えている。

二について

 我が国産業のエネルギー効率は世界最高水準であるが、更なる二酸化炭素の排出削減を求める場合には、個々の業種ごとに削減ポテンシャルが異なるという実情を踏まえることも必要であると考えている。

三について

 御指摘のいわゆるカーボンリーケージ現象の防止と、我が国産業の国際競争力の維持のためには、すべての主要経済国が参加する、公平で実効性ある国際枠組みの構築が不可欠であると考えている。
 その実現に向け、政府としては、国境横断的な分析により部門ごとに優れた技術及び慣行を特定し、これらに基づき各国が各部門の削減ポテンシャル及び費用を分析し、適切な対策を検討していくというセクター別アプローチについて、各国の理解を得ていくこと等が重要であると認識している。今後とも、引き続き、理解を得るための取組を推進していく所存である。

四について

 我が国は、先進国の国別総量目標の設定、主要途上国の原単位目標の設定、技術の移転及び普及を通じた途上国における温室効果ガスの排出削減行動の促進等において、セクター別アプローチを活用していくべきとの立場であり、今後とも国際交渉の中で各国の理解を求めていく所存である。