質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七二号

内閣参質一七一第一七二号
  平成二十一年五月二十九日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員加賀谷健君提出「一〇〇年安心」という年金制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加賀谷健君提出「一〇〇年安心」という年金制度に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの直近の年金積立金の額については、平成十九年度末において簿価ベース(年金特別会計の厚生年金勘定及び国民年金勘定の積立金の決算額の合計をいう。以下同じ。)で約百三十五兆円、時価ベース(簿価ベースに、年金積立金管理運用独立行政法人における運用収益を加えたものをいう。)で約百三十九兆円である。年金積立金の額は、御指摘の約百四十七兆円と比べて減少しているが、その主な理由は、年金給付に充てるための年金積立金の取崩しである。

二から四までについて

 平成二十一年二月二十三日に公表した国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの基本ケースにおいてお示ししているとおり、今後、急速な少子高齢化が進む中でも、おおむね百年程度を見通して、長期的な給付と負担の均衡が維持される仕組みとなっている現行制度においては、長期的な財政の均衡が保たれる見通しである。
 また、御指摘の社会保険庁ホームページの記載については、このような見通しを踏まえているものであり、これを削除することは考えていない。
 なお、御指摘の「今月一日に明らかにした試算」は、民主党からの御依頼に従い、将来にわたって物価上昇率がマイナス〇・二パーセント、名目賃金上昇率がマイナス〇・七パーセントとなるという前提に基づいて機械的に試算を行ったものであり、将来にわたって、経済がこのようなマイナス成長を続けるという前提は現実的でないと考える。