質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五〇号

内閣参質一七一第一五〇号
  平成二十一年五月十二日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出全国学力・学習状況調査の有効性等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出全国学力・学習状況調査の有効性等に関する質問に対する答弁書

一について

 文部科学省としては、全国学力・学習状況調査(以下「本調査」という。)の結果から明らかになった課題等を踏まえて、学習指導要領の改訂等を行うとともに、本調査の結果を多面的に分析した上で、学校における教育指導や教育委員会における教育施策の改善等に役立つ情報の発信に努めているところである。また、すべての都道府県及び政令指定都市において本調査の結果を活用して「学校改善支援プラン」が作成されるなど、各教育委員会における本調査の結果の活用も進められているところである。さらに、本調査の地域別又は学校別の結果を踏まえて、例えば、教員配置を増やして習熟度別少人数指導を充実させたり、非常勤講師やボランティア等を配置して補習学習を充実させたりするなど、地域や学校の実情等に即した取組が行われているところである。

二について

 文部科学省としては、一についてで述べたとおり、国、各教育委員会及び各学校において着実に本調査の結果の活用が進んでいるものと考えている。また、本調査は、国が全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上のため、児童生徒の学力や学習状況をきめ細かく把握・分析し、教育の結果等を検証し、改善を図ること、全国の教育委員会及び学校が全国的な状況との関連において自らの教育の結果等を把握し、教育指導や施策の改善に取り組むこと並びに各学校が児童生徒一人一人への教育指導や学習状況の改善等に役立てることを目的としており、これらの目的を達成するためには、当面は現在の方法で調査を継続的に実施する必要があると考えている。

三について

 本調査の実施要領においては、国及び都道府県教育委員会は個々の市町村名又は学校名を明らかにした上で各市町村別又は各学校別の結果を公表しないこと、市町村又は学校が当該市町村又は当該学校の結果を公表することについては当該市町村教育委員会又は当該学校の判断にゆだねること等が定められている。文部科学省としては、各教育委員会等は、実施要領を前提として本調査に参加・協力していることから、各市町村別又は各学校別の結果の公表については、実施要領に基づいて行われるべきものと考えており、引き続き、教育委員会等に対して本調査の目的や実施要領の趣旨等について説明し、理解を求めるとともに、必要に応じて、指導助言等を行ってまいりたい。

四について

 文部科学省としては、御指摘の個別の事案について詳細を承知していないが、一般的に、児童生徒の学力向上のために様々な取組が進められることは望ましいことであり、また、教育委員会が本調査の結果により課題が明らかになった学校に対し、改善等を支援することは重要であると考えている。しかし、本調査は、普段の授業や学習を通して身に付けるべき知識及び技能やそれらを活用する力を調査するものであり、本調査のみのために特別の対策を必要とするものではないと考えている。