質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三〇号

内閣参質一七一第一三〇号
  平成二十一年四月二十四日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員前川清成君提出「裁判員制度」の開始に先立っての質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員前川清成君提出「裁判員制度」の開始に先立っての質問に対する答弁書

一について

 各裁判所においては、裁判員に対して、必要に応じて同種事例の量刑傾向を把握することができる資料を提供する予定であると承知している。この資料は、平成二十年四月一日以降に第一審判決が言い渡された裁判員裁判対象事件について、担当裁判所が当該事件の量刑事情等のデータを入力し、最高裁判所がそれらのデータを取りまとめて構築したデータベースを利用して作成されるものであると承知している。

二について

 裁判員制度の下における公判審理に要する審理回数は、個々の事案ごとに異なると考えられるところであるが、同制度の対象事件については、必要的に公判前整理手続を行って、事件の争点及び証拠を十分に整理した上、できる限り連日開廷すること等により、迅速な裁判の実現を図ることとされている。
 右のような制度の適切な運用等により、公判審理が不必要に長期間に及ぶことはないと考えられる上、裁判員に過度の負担を負わせることのないよう、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成十六年法律第六十三号)第十六条第八号の事由があると認められる裁判員候補者又は裁判員については、その申立てにより、辞退又は解任が認められる。

三について

 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第六条においては、訴訟手続に関する裁判所の判断は構成裁判官の合議による旨規定されており、同法第六十八条においては、構成裁判官は、その合議により、裁判員に、その判断のための評議の傍聴を許し、裁判員の意見を聴くことができる旨規定されている。供述調書の任意性が争われた場合には、これらの規定に基づき、各裁判所において、個別の事案に応じ、適切に対処されるものと承知している。