質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二二号

内閣参質一七一第一二二号
  平成二十一年四月十七日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出我が国の教科書の充実に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出我が国の教科書の充実に関する質問に対する答弁書

一について

 文部科学省としては、平成十九年度に日本とデンマークにおける国語の教科用図書の比較分析を行うなど、従来から民間団体等とも連携しつつ、諸外国の教科用図書に関する調査研究を進めているところであり、今後も必要に応じ、教科用図書の国際的な比較分析のための取組を進めてまいりたいと考えている。

二について

 文部科学省においては、平成十八年度及び平成十九年度に、小学校の国語及び算数の教科用図書について、分かりやすさ、使い勝手の良さ等の観点から、児童に日常的に接している教員及び保護者に対するアンケートを実施し、その結果を分析するなどしたところであり、平成二十一年度においても、中学校の数学及び理科の教科用図書について、発展的な学習内容や補充的な学習内容の効果的な提示方法等について調査研究を行うこととしている。

三について

 経済協力開発機構(以下「OECD」という。)による「生徒の学習到達度調査」(以下「PISA調査」という。)の結果では、我が国の生徒は、「読解力」に関しては、二千年と二千三年との比較では平均得点が低下したほか、二千三年及び二千六年ではいずれにおいてもOECD加盟国の平均と同程度であり、「数学的リテラシー」に関しては、国際的に上位に位置しているが、二千三年と二千六年との比較では平均得点が多少低下していることから、これらの分野において、知識・技能を実際の場面で活用する力に課題が見られた。「科学的リテラシー」に関しては、国際的に上位に位置しているが、科学への興味及び関心等に課題が見られた。
 文部科学省としては、こうしたPISA調査の結果等を踏まえ、小中学校における少人数指導、読書活動等の推進を図るとともに、平成十九年からは全国学力・学習状況調査を実施し、その結果の活用を推進している。また、言語活動及び理数教育の充実等を内容とする小学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十七号)及び中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)を平成二十年三月に公示し、本年四月から一部を先行実施している。文部科学省としては、これらの施策等を着実に推進することにより、PISA調査の結果において見られた課題に適切に対応し、児童生徒に確かな学力を身につけさせてまいりたい。