質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一六号

内閣参質一七一第一一六号
  平成二十一年四月十四日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員辻泰弘君提出生活保護の受給申請に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員辻泰弘君提出生活保護の受給申請に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの相談件数については把握していないが、生活保護の開始の申請件数及び開始件数については、「政府統計の総合窓口」のホームページにおいて福祉行政報告例として公表しているところである。

二について

 生活保護の開始の申請については、御指摘のような理由がない場合には、生活保護法による保護の実施要領について(昭和三十六年四月一日付け厚生省発社第百二十三号厚生事務次官通知)等にのっとって審査すべきものと考えている。

三について

 生活保護の開始の申請をした者が就労の場を得ることができるか否かについては、地域における有効求人倍率や求人内容等の客観的な情報ばかりでなく、当該申請者の稼働能力の内容及び就労阻害要因等も踏まえ総合的に判断されるものであることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

四について

 住民に対する生活保護制度等の周知については、これまでも、生活保護制度における福祉事務所と民生委員等との関係機関との連携の在り方について(平成十五年三月三十一日付け厚生労働省社援発第〇三三一〇〇四号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)を発出し、地方公共団体に依頼しているところであるが、特に、居住地がないこと及び単に稼働能力があることが生活保護の開始の申請を拒否する理由にならないことについては、平成二十一年三月二日に開催された社会・援護局関係主管課長会議等において地方公共団体に周知したところである。

五について

 福祉事務所に対しては、これまでも、生活保護制度や他の福祉施策等の説明を懇切丁寧に行う中で保護申請の意思が確認された場合には、速やかに保護申請書を交付するよう指導を行ってきているところであり、御指摘のような義務付けを行う必要はないと考えている。

六について

 お尋ねの現業員の総数については、福祉事務所現況調査報告によると、平成十四年度が一万七千六百二人、平成十五年度が一万八千二百六十二人、平成十六年度が一万八千九百十六人であり、平成十七年度及び平成十八年度については把握していない。
 お尋ねの生活保護担当の現業員数については、福祉事務所現況調査報告によると、平成十四年度が一万三百十八人、平成十五年度が一万八百五十二人、平成十六年度が一万千三百七十二人であり、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第二十三条第一項に規定する事務監査(以下「監査」という。)によると、平成十七年度が一万二千四百四十九人、平成十八年度が一万二千八百七十二人である。

七について

 生活保護費等負担金の精算交付を年度内に繰り上げることについては、予算が単年度主義であることから、実施することは困難である。

八について

 御指摘の現業員の人件費に係る財政需要の増加については、平成二十一年度の普通交付税の算定において、標準的な条件を備えた町村部人口二十万人の道府県につき一名分、市部人口十万人の市につき二名分の増員を行うこととしている。

九について

 お尋ねの現業員の確保については、従来から監査において不十分であると認めた地方公共団体に対し、御指摘の標準数に沿った配置を行うよう指導してきているところである。
 また、お尋ねの人材育成の強化については、従来から現業員や査察指導員等がその職務に必要な能力を速やかに修得できるよう、必要な研修を行ってきているところである。