質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第九五号

内閣参質一七一第九五号
  平成二十一年四月七日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出公職選挙法におけるインターネット選挙運動の規制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出公職選挙法におけるインターネット選挙運動の規制に関する質問に対する答弁書

一について

 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百四十二条に規定する「文書図画」とは、従来より、「文字若しくはこれに代わるべき符号又は象形を用いて物体の上に多少永続的に記載された意識の表示」をいい、スライド、映画、ネオン・サイン等もすべて含まれ、コンピュータ等のディスプレイ上に表れた文字等を用いた意識の表示は同条に規定する文書図画に該当すると解しているところであり、この解釈を変更する考えはない。

二について

 公職選挙法第百四十二条に規定する「頒布」とは、「文書図画を不特定又は多数の者に配布する目的でその内の一人以上の者に配付すること」(昭和五十一年三月十一日最高裁判所第一小法廷決定)をいうものと解されているところ、従来より、不特定又は多数の者の利用を期待してホームページの開設又は書換えをすること及び不特定又は多数の者に電子メールを発信することは「頒布」に当たると解しているところであり、この解釈を変更する考えはない。

三について

 お尋ねの「コンピューターのディスプレイにホームページや電子メールを表示させ、一定の場所に掲げ人目に触れるようにすること」は、一般に、公職選挙法第百四十三条第二項に規定する電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為に当たると考えられることから、当該コンピュータのディスプレイに表示されたホームページや電子メールを選挙運動のために掲示する場合には、同項の規定に違反する。

四について

 インターネットを使用した選挙運動については、御指摘の研究会以降、特段の検討は行っていない。また、インターネットを選挙運動の手段として認める法改正を行うことについては、選挙運動の在り方にかかわる問題であり、議員立法が提案されているなど各党各会派において議論がされていることから、政府として具体的な検討を行うことは考えていない。