質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第六四号

内閣参質一七一第六四号
  平成二十一年三月六日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員尾立源幸君提出最低賃金法と公契約条例の関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員尾立源幸君提出最低賃金法と公契約条例の関係に関する質問に対する答弁書

一の1について

 御指摘の「公契約条例」の具体的内容が必ずしも明らかでないが、当該条例において、地方公共団体の契約の相手方たる企業等の使用者は、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第九条第一項に規定する地域別最低賃金において定める最低賃金額(以下「地域別最低賃金額」という。)を上回る賃金を労働者に支払わなくてはならないこととすることは、同法上、問題となるものではない。

一の2について

 お尋ねについては、具体的にどのような行為に対して罰則を課すこととなるのか必ずしも明らかでないが、一般に、地方公共団体は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第十四条の規定に基づき、条例を制定し、当該条例中に罰則を設けることができる。

二の1について

 地方公共団体が、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百六十七条の十の二において規定する総合評価方式による入札を行い、落札者を決定しようとする場合において、同条第三項に規定する落札者決定基準として、入札に参加する企業等の使用者が地域別最低賃金額を上回る賃金を労働者に支払っているか否かを定めることは、最低賃金法上、問題となるものではない。

二の2について

 お尋ねについては、具体的にどのような行為に対して罰則を課すこととなるのか必ずしも明らかでないが、地方公共団体は、地方自治法第十四条第三項において、法令に特別の定めがあるものを除くほか、条例中に罰則規定を設けることができる旨が規定されており、この規定に該当する場合以外の場合は、罰則を設けることはできない。

三について

 最低賃金法上の地域別最低賃金は、労働者の労働条件の改善を図るとともに、事業の公正な競争の確保に資すること等を目的として、地域の経済状況等を踏まえつつ、一方で全国的に整合性のある額を設定するものであり、御指摘のような条例は、このような地域別最低賃金の趣旨に反するものであることから、これを制定することは、地方自治法第十四条第一項の規定に違反するものであると考える。