質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第三九号

内閣参質一七一第三九号
  平成二十一年二月二十日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員大久保勉君提出国土交通省の「随意契約見直し計画」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大久保勉君提出国土交通省の「随意契約見直し計画」に関する質問に対する答弁書

一について

 国土交通省の「随意契約見直し計画」(平成十八年六月策定、平成十九年一月改訂)における企画競争等(以下単に「企画競争等」という。)とは、複数の者に企画書等の提出を求め、その内容について審査し、契約の相手方として最適な者を特定する方法(企画競争)及び契約の相手方に必要な設備又は技術等を具体的に明らかにした上で、競争の参加者を募る方法(以下「公募」という。)をいう。企画競争等は、契約の対象となる事務又は事業の性格等から競争入札により難い場合に行っており、そのうち公募については、平成二十年一月以降、契約の相手方に特殊な設備又は技術等が必要不可欠な場合に限定しているところである。
 また、お尋ねの「平成二十年一月及び平成二十一年一月の現状」の趣旨が必ずしも明らかではないが、直近の平成十九年度の国土交通省全体の契約(少額随意契約を除く。)の件数及び金額について「同様の方式」でお答えすると、それぞれ次のとおりである。
1 表1
 競争入札 三万九千三百二十九件(約六十四パーセント) 約二兆三千六百八十一億円(約七十六パーセント)
 企画競争等 一万千二百件(約十八パーセント) 約四千三十三億円(約十三パーセント)
 随意契約 一万千百十七件(約十八パーセント) 約三千二百七十七億円(約十一パーセント)
 合計 六万千六百四十六件(百パーセント) 約三兆九百九十一億円(百パーセント)
2 表2
 競争入札 九百五十一件(約十五パーセント) 約四百十五億円(約十六パーセント)
 企画競争等 三千九百六十七件(約六十二パーセント) 約千六百八十二億円(約六十四パーセント)
 随意契約 千四百三十六件(約二十三パーセント) 約五百四十五億円(約二十パーセント)
 合計 六千三百五十四件(百パーセント) 約二千六百四十二億円(百パーセント)
3 表3
 競争入札 三万八千三百七十八件(約六十九パーセント) 約二兆三千二百六十六億円(約八十二パーセント)
 企画競争等 七千二百三十三件(約十三パーセント) 約二千三百五十一億円(約八パーセント)
 随意契約 九千六百八十一件(約十八パーセント) 約二千七百三十一億円(約十パーセント)
 合計 五万五千二百九十二件(百パーセント) 約二兆八千三百四十八億円(百パーセント)

二及び三について

 随意契約の適正化については、「公益法人等との随意契約の適正化について」(平成十八年六月十三日公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議公表)及び「公共調達の適正化について」(平成十八年八月二十五日付け財計第二〇一七号財務大臣通知)等に基づいて取り組んできているところであり、企画競争等は、複数の者に企画書等の提出を求め、その内容について審査し、契約の相手方として最適な者を特定する方法等であることにかんがみると、企画競争等を実施しない随意契約から企画競争等に移行することにより、競争性及び透明性の向上が図られているものと考えている。

四について

 国土交通省所管公益法人等について、平成十九年度における同省の企画競争等の契約金額が多い順に十法人等をお示しし、当該各公益法人等ごとに、平成二十一年一月一日時点で在籍する国家公務員の指定職以上の経歴を持つ者の人数並びに当該者がいる場合の各公益法人等における役職名及びその前任者に係る国家公務員の指定職以上の経歴の有無について、現時点において同省で把握している限りにおいてお示しすると、それぞれ次のとおりである。なお、同日時点で各公益法人等に在籍する国家公務員の経歴を持つ者の「全体の人数」については、その調査の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。また、平成二十年十一月末日時点に関するお尋ねについては、集計の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。
1 財団法人公園緑地管理財団 四名
①理事長 有
②副理事長 無
③理事 無
④監事 有
2 社団法人関東建設弘済会 一名
①理事長 有
3 株式会社建設技術研究所 把握していない
4 社団法人中部建設協会 零名
5 社団法人東北建設協会 零名
6 社団法人中国建設弘済会 零名
7 財団法人港湾空港建設技術サービスセンター 七名
①会長 有
②理事長 有
③専務理事 有
④常務理事 無
⑤常務理事 無
⑥理事 無
⑦理事 無
8 社団法人九州建設弘済会 零名
9 社団法人北陸建設弘済会 零名
10 財団法人道路保全技術センター 三名
①理事長 有
②専務理事 有
③理事 無
 また、これらの国家公務員の指定職以上の経歴を持つ者のうち、現時点において国土交通省で「同省所管公益法人等内における転職回数」を把握している財団法人港湾空港建設技術サービスセンターの②、④及び⑤の者の「転職回数」は、いずれも零回である。

五について

 平成十九年度に国が発注した工事等のうち、道路整備特別会計及び治水特別会計から経費を支出するものについて、各特別会計ごとに、支出金額の多い順に二十契約の件名、当初契約金額、受注者名、契約方式及び当該契約方式を選択した理由をお示しすると、それぞれ次のとおりである。なお、お尋ねの「概算金額」については、その意味するところが必ずしも明らかでないためお答えすることは困難であり、「全体の人数と指定職以上の履歴を持つ者の人数」については、把握していない。また、平成二十年十一月末日時点に関するお尋ねについては、集計の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。
1 道路整備特別会計
①圏央道高尾山トンネル(その一ー二)工事 百五十三億八千二百五十万円 圏央道高尾山トンネル(その一)大成・大林・大豊特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
②第二京阪道路宮前地区鋼上部工事 八十九億二千五百万円 川田・横河・瀧上特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
③第二京阪道路讃良地区鋼上部工事 八十二億七千四百万円 東骨・ハルテック特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
④第二京阪道路東倉治地区PC上部工事 八十一億三千七百五十万円 オリエンタル白石株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑤第二京阪道路(大阪北道路)青山地区高架橋工事 七十七億六千六百十一万五千円 三井住友建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑥圏央道城山八王子トンネル(その二)工事 五十七億五千九百四万円 前田建設工業株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑦第二京阪道路上馬伏地区鋼上部工事 五十五億八千六百万円 巴・宇部・名村特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑧東九州道(清武~北郷間)猪八重トンネル南新設(一期)工事 五十四億六千百八十九万円 東九州道(清武~北郷間)猪八重トンネル南新設(一期)工事間・安藤特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑨北海道横断自動車道浦幌町釧勝トンネル工事 五十四億六千万円 北海道横断自動車道浦幌町釧勝トンネル戸田・熊谷・伊藤特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑩尾道・松江自動車道大万木トンネル工事 四十四億五千八百三十万円 飛島建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑪東九州道(清武~北郷間)芳ノ元トンネル新設工事 四十二億三千八百八十五万円 五洋建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑫平成十九年度熊野尾鷲道路逢神曽根トンネル工事 四十億七千四百万円 鹿島建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑬一般国道七号摩当山トンネル工事 四十億八百九十万円 一般国道七号摩当山トンネル工事間・西武特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑭平成十九年度紀勢線馬越トンネル工事 三十九億八千八百二十一万五千円 前田建設工業株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑮平成十九年度四十一号高山国府トンネル国府工区工事 三十八億五千三百五十万円 鹿島建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑯日本海沿岸東北自動車道温海トンネル工事 三十七億六千七百四十万円 日本海沿岸東北自動車道温海トンネル工事間・西武特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑰松浜橋上流橋上部工事 三十六億七千五百万円 株式会社宮地鐵工所 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑱日本海沿岸東北自動車道堅苔沢トンネル工事 三十六億六千三百四十五万円 鹿島建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑲北海道横断自動車道浦幌町炭山第一トンネル工事 三十五億五千四百二十五万円 北海道横断自動車道浦幌町炭山第一トンネル熊谷・戸田・荒井特定建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑳七尾トンネル工事 三十三億六千万円 西松建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
2 治水特別会計
①志津見ダム建設第二期工事 五十九億五千三百五十万円 志津見ダム建設工事大林・青木あすなろ・大豊特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
②嘉瀬川ダム本体建設(二期)工事 五十六億二千八百万円 嘉瀬川ダム本体建設工事鹿島・青木あすなろ・松尾特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
③幾春別川総合開発事業の内新桂沢ダム取水塔工事 五十一億五千七百六十万円 鹿島建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
④夕張シューパロダム堤体建設第二期工事 四十二億九千三百九十五万円 夕張シューパロダム堤体建設大成・地崎・中山特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
⑤夕張シューパロダム骨材製造第二期工事 三十九億四千五百五十万円 夕張シューパロダム骨材製造大林・戸田・岩倉特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
⑥長井ダム本体建設第一工事(第三期) 三十七億九千五十万円 長井ダム本体建設第一工事間・前田・奥村特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
⑦県道林・東吾妻線二号橋上部工事 三十六億七千二百九十万円 川田建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑧嘉瀬川ダムコンクリート骨材製造(二期)工事 三十四億七千五百五十万円 嘉瀬川ダムコンクリート骨材製造工事西松・奥村・フジタ特定建設工事共同企業体 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一体の構造物の構築等を目的としており、一般競争により決定した先行する工事の受注者に施工させる必要があるため。)
⑨平成十九年度淀川河川公園維持管理業務 二十五億六千百九十八万六千三百五十円 財団法人河川環境管理財団 随意契約 会計法第二十九条の三第四項に該当するため(一定の設備又は技術等を有する者に行わせることが必要であることから、公募を実施して受注者を特定するため。)
⑩雄物川上流湯沢統合堰改築工事 二十二億六千九百八十九万円 雄物川上流湯沢統合堰改築奥村組・開成工業異工種建設工事共同企業体 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑪幾春別川総合開発事業の内新桂沢ダム取水放流設備工事 十九億七千四百万円 株式会社丸島アクアシステム 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑫湯西川ダム右岸天端造成工事 十五億八千五百五十万円 丸磯建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑬嘉瀬川ダム副ダム建設工事 十四億四千九百万円 西松建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑭夕張シューパロダム取水設備工事 十四億四百万円 株式会社丸島アクアシステム 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑮庭窪取水施設改築工事 十三億二千九百三十万円 戸田建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑯戸島地区河道掘削工事 十三億二千七百二十万円 東洋建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑰赤松谷川十号床固工工事 十二億三千七百九十五万円 株式会社フジタ 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑱那珂樋管(魚類迷入対策)新設工事 十億七千九百四十万円 五洋建設株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑲新田井堰改築工事 九億二千七百十五万円 株式会社吉田組 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
⑳H十九稲戸井調節池越流堤新設工事 九億四百五万円 東亜建設工業株式会社 一般競争 会計法第二十九条の三第一項に該当するため
 また、国土交通省所管公益法人である財団法人河川環境管理財団に平成二十一年一月一日時点で在籍する国家公務員の指定職以上の経歴を持つ者について、同財団における役職名、「同省所管公益法人等内における転職回数」及びその前任者に係る国家公務員の指定職以上の経歴の有無を、現時点において同省で把握している限りにおいてお示しすると、①理事長、零回、有、②専務理事、零回、有、③常務理事、零回、無である。