質問主意書

第171回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四号

内閣参質一七一第一四号
  平成二十一年二月三日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員喜納昌吉君提出教科書検定の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員喜納昌吉君提出教科書検定の見直しに関する質問に対する答弁書

一について

 文部科学省としては、御指摘の意見公募手続においては、教科用図書検定規則(平成元年文部省令第二十号)の改正案については、同令の一部を改正することを内容とするものであり、改正内容のみを端的に示した方が分かりやすいと考え、他方、義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成十一年文部省告示第十五号)の改正案については、同基準の全部を改正することを内容とするものであり、改正内容が多岐にわたることから、改正後の案の全文を示す必要があると考えたところである。

二について

 昨年十二月二十五日に教科用図書検定調査審議会が文部科学大臣に対して提出した報告(以下「報告」という。)においては、教科用図書検定手続の透明性の一層の向上を図るため、同審議会の部会や小委員会の議事概要を作成して検定審査終了後に公表することとされているが、一方で、外部からの圧力がなく静ひつな環境の下、委員が自らの識見に基いて調査審議を行い、自由闊達な議論を通して合意形成が図られることが重要であるため、個々の意見のやり取りの公表や会議自体の公開については、行わないことが適当であるとされている。文部科学省としては、報告を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えている。

三について

 文部科学省としては、教科用図書検定において、国内の特定の地域における先の大戦での被害に関する記述について、他の地域に関する記述と異なる取扱いとすべきことを教科用図書検定基準に記載することは、考えていない。

四について

 文部科学大臣による検定意見の取消しについては、教科用図書検定規則第九条に既に規定されており、昨年二月二十八日の文部科学大臣からの要請に応じて同年十二月二十五日までに教科用図書検定調査審議会が行った調査審議においては、御指摘の「検定意見の是正手続き」についての検討はなされていない。
 なお、報告においては、検定意見に関連して、同審議会における調査審議の方法、検定意見の伝達方法等について運用改善を図ることとされたところであり、文部科学省としては、報告を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えている。