質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第二一五号

日系人離職者に対する帰国支援金等に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年六月二十二日

松野 信夫   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日系人離職者に対する帰国支援金等に関する再質問主意書

 我が国に適法な在留資格で入国・在留し、就労していたものの離職した日系人に対する帰国支援事業について質問主意書(第一七一回国会質問第一五一号)を提出したところ、五月十二日に答弁書(内閣参質一七一第一五一号)を受領した。しかし、答弁が不十分であるので、再度、質問する。

一 政府は、「帰国支援金を受けて帰国した者が再度本邦に入国しようとする時は、当該支援金を受領したことのみを理由として再度の入国を許可しないものではなく、新たに入管法に定める上陸のための条件に適合するか否かを個別に審査することとなる」と答弁している。
 右答弁のように、「当該支援金を受領したことのみを理由として再度の入国を許可しないものではなく」ということであれば、当該支援金を受領したことは再度の入国を許可するか否かの判断に考慮される要素だということか。また、当該支援金を受領したことは出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という。)上の上陸拒否理由のいずれかの条項に該当するということか、それとも上陸拒否事由に該当しないが入国を拒否するというものであるか。

二 帰国支援金の対象者は、日本人の子孫として特別の地位を有する者であり、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者」等の優遇された在留資格を与えられている日系人が、当該支援金受領以外に特段の問題がないまま入管法に定める再入国許可申請を行った場合にも許可しないということであれば、結局、「当該支援金を受領したことのみを理由として再度の入国を許可しない」ことになるのではないか。もし仮に、当該支援金受領以外にも法務大臣がその再入国許可申請を不許可とする合理的理由があるとすれば、具体的な代表例を五つ指摘されたい。

三 再入国の許可申請は、我が国の法律に違反する行為を行ったとか著しく国益に反する行為を行った等の事由がない限りは許可されているのが実際の運用ではないか。もしそうではないというのであれば、我が国の法律に違反する行為を行ったとか著しく国益に反する行為を行った等の事由がない再入国許可申請の許可率はどの程度か、最近五年間の推移を明らかにされたい。

四 もともと定住者の在留資格を有して何ら問題なく我が国に居住していた複数の日系人がいったん帰国し、有効な旅券等を所持して再び来日しようとする場合の上陸審査において、当該支援金を受領した日系人らは拒否され、受領しなかった日系人らは許可されるという結末になるのではないか。こうした結末になれば、当該支援金受領の有無による不合理な判断ではないかという国際的な批判が免れないと思うが、政府はどのように考えるか。

  右質問する。