質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第二一一号

障がい者団体向け郵便割引制度悪用にからむ第三種郵便物制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年六月二十二日

谷 博之   


       参議院議長 江田 五月 殿



   障がい者団体向け郵便割引制度悪用にからむ第三種郵便物制度に関する質問主意書

 障がい者団体向けの郵便割引制度が一部民間企業に悪用された事件を受け、総務省は郵便事業株式会社に対し、不適正利用の再発防止を目的として、心身障害者用低料第三種郵便物の取扱いを厳格にする郵便約款の変更を認可した。これに加え、郵便事業株式会社は有料販売割合を証明する資料の定期調査・特別調査を厳格化した結果、全国の障がい者団体で混乱が起きており、当事者・家族の間に、制度が無くなってしまうのではないかという不安が駆け巡っている。特に発行部数に占める有料配布数の割合が八割を超えていなければならないという条件を満たせないことが大きな課題となっている。しかしこの有料購読八割という条件は、心身障害者用低料第三種郵便物だけでなく、全ての第三種郵便物に適用される条件のはずである。そこで以下、質問する。

一 政府の各機関が発行したり、編集協力等を行っている広報誌等の刊行物で、第三種郵便物の認可を受けているものはどこの省庁の何という冊子で、それぞれ価格はいくらか。

二 前記一で政府が回答した刊行物について、それぞれの発行部数は何部で、そのうち有料配布数は何部か。

三 心身障害者用低料第三種郵便物制度は、郵政民営化時に当事者団体が必死に守り抜いた制度であり、障がい者にとって不可欠な、情報のパイプラインである。一部不心得者の悪用を防ぐ方策が、多くの当事者・家族を困らせることのないよう、知恵を絞り、むしろしっかりと制度を維持、充実していくべきではないか。

四 調査の厳格化により、会報発行をあきらめたり、会費滞納者への郵送を泣く泣く打ち切る真面目な団体も出てきている。国民年金保険料でさえ六割しか徴収できないのに、障がい者団体に購読料の八割の徴収実績を求めるしくみ自体に無理があるのではないか。

五 各種の新聞や雑誌の多くも第三種郵便物の認可を受けているが、それらも印刷部数を分母とした実際の有料発売部数が八割を超えていると政府は考えているのか。現在障がい者団体に対して、有料発売部数の実績を調べるため、郵便事業株式会社は会計帳簿まで提出させて会費収入や購読料収入を調べているが、今後全ての第三種郵便物に対して同様の調査を行うつもりなのか、政府の承知しているところを示されたい。

  右質問する。