質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一七二号

「一〇〇年安心」という年金制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年五月二十一日

加賀谷 健   


       参議院議長 江田 五月 殿



   「一〇〇年安心」という年金制度に関する質問主意書

 平成十六年の年金制度改革で、与党や政府は「一〇〇年安心」「百年後でも絶対大丈夫」と国民に明言した。しかし、厚生労働省が民主党の要求によりまとめ今月一日に明らかにした試算によると、ケースによってはマクロ経済スライドの調整機能が実質的に機能せず、二十二年後の平成四十三年度に「厚生年金の積立金が枯渇する見通し」としている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 公明党は平成十五年十一月九日付け読売新聞に「一〇〇年安心の年金へ」と銘打って広告を出し、その中で「現在約一四七兆円ある「年金積立金」を活用し、一〇〇年間の老後の安心を保障します」と公約している。直近の年金積立額はいくらか。また、その増減の主な理由を示されたい。

二 自民党も平成十六年六月発行の「年金改革一緒に考えませんか。」で、「こうした改革により、おおむね一〇〇年を見通した長続きする年金制度をつくります。」と有権者に約束している。さらに同年四月七日の衆議院厚生労働委員会で、森英介厚生労働副大臣は年金制度改革に関し「百年後でも絶対大丈夫ということを申し上げます。」と答弁しているが、麻生総理ならびに現政府も同様の見解か、現状においても「百年安心」と言い切るのか問いたい。また、先に述べた厚生労働省の「平成四十三年度に厚生年金の積立金が枯渇する」可能性があるとしている点と矛盾しないのか。矛盾しないとすればその論拠を示されたい。

三 社会保険庁のホームページの中の「国民年金って何?」には「公的年金制度は絶対につぶれない。そのわけは・・・」と題し「負担と給付の調整を行えば大丈夫です」などと述べている。先の厚生労働省の試算にあてはめると、マクロ経済スライドの調整が機能しない中で平成四十三年度の「負担と給付」はどのように調整するのか。また、その額はそれぞれどうなるのか。

四 前述ホームページの「公的年金制度は絶対につぶれない」という表記は絶対間違いがないのか。間違いないというのであれば、その根拠を具体的に示されたい。さらに、この表記については削るべきと考えるが、政府の方針を示されたい。

  右質問する。